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現代の茶人はメタバースに結界を作るだろう

すごいタイトルで申し訳ない感じがするのですが、茶人の話ではなくてどちらかというと日本文化の話です。

ちなみに「結界」についてはこちらを参照してください。もともとは仏教の考え方なんですね。

前回の記事

の中で SNS上の「独自ルール」について少しだけ触れたのですが、日本の社会って結構、独自ルールとか個別最適みたいなものが多い気がしませんか?
と言っても僕は海外で生活したことがないから日本だけの特徴かどうか正直なところ分からないのですが。

障子

日本家屋にある「障子」は、海外の "Door" や "Window" とは明らかに違うものなんですよね。

どう見ても外敵から守ってくれるものではないし、寒さから守ってくれるものでも無さそうです。

例えば蔵の入り口には強固な扉が付いているので、守ることを考えたら障子には出来ないはずです。

障子で囲まれた空間は「(部屋)」なので、障子の引き戸が閉まっているときは、誰もが不用意にその中に入ることはありません
敵が襲ってきたときは簡単に入れてしまうけど、普段の生活では簡単には入れない空間なんですね。

プラスチックという便利な材料が生まれても、障子は紙(和紙)で出来ていました。
近年、半透明プラスチックで出来た障子が生まれて、突っついても破れなくなりました。

でも本来は、障子は紙で出来ているからその意味があったのでしょう。おそらく。

部屋の使い方

武士が大事な話をするときは、広い部屋の真ん中に座り、周囲の戸を開け放ったという話を聞いたことがあります。
見えない所に敵が潜むことがないようにしていたそうですね。
(それでも床下や天井には潜めるのですが)

結界

そんなことで、何もない場所に何かを「置くだけで」(精神的な)意味を持つ空間を作ることが出来る、という考え方が、日本文化には長いこと存在していました。
置かれているものが何であるかということが、その空間の意味を表していて、それが社会人の共通認識だったのです。
それによって行動が促されたり制限されたりしたのですね。

メタバースの空間

SNSは二次元で、ほとんどが文字と画像の世界なのですが、メタバースは違います。もちろん画面は二次元ですが、コンテンツは三次元なので、空間が登場するのですね。

僕は昔の「セカンドライフ」は知っているのですが、いまのメタバースは未体験です。だから実際にどんな空間が存在するか知りません。

でもきっと、茶人なら茶室を建てて結界を設けると思います。
イスラムの人は祈りの空間を作ると思います。

入ってはいけない空間に入ろうとすると、アラートが出るか、自動的に動きがロックされるような機能があっても不思議ではありません。

空間が出来ることによって文化が継承されることもあるかもしれませんね。

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