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【お仕事紹介 #3】3DCGデザイナー|ユーザーに感動と没入感を届ける

f4samuraiのさまざまな職種に関して、その仕事内容ややりがいをお届けするお仕事紹介マガジン。アシスタントプロデューサーゲームプランナーに引き続き、第3回目となる今回は「3DCGデザイナー」のお仕事について紹介します!

一口に3DCGデザイナーといっても、ゲームに登場する3DCGクリエイティブは多種多様!どのような領域があるのか?どうやって制作しているのか?など、仕事のやりがい・魅力について詳しく解説します。

また今回はf4samuraiで企画・開発・運営している『コードギアス 反逆のルルーシュ ロストストーリーズ』(以下:ロススト)を事例にご紹介いたしますので、ぜひ最後までご覧ください。

幅広い!3DCGデザイナーの仕事内容

ゲームに登場するグラフィックは、イラストなどを制作する2Dグラフィックと、立体的なキャラクターや背景を作る3Dグラフィックに大別されていて、3DCGデザイナーは後者を担当しています。ゲーム制作をするうえで2Dグラフィックと3Dグラフィックのどちらを採用するかは、表現したい世界観や実現したいゲーム性などを考慮しながら企画段階で決定されます。

f4samuraiの3DCGチームは、主に以下4つの領域に分かれて業務をおこなっています。

1. どこから見ても完成度の高いルックを作り上げる「3Dキャラモデラー」

「3Dモデラー」と呼ばれる仕事には、主に3D空間上にキャラクターを作成する仕事と、ゲーム内で使われる3Dの背景クリエイティブを作る仕事があります。まずキャラクターモデラーの役割についてご説明します。

キャラクターの場合、元となるキャラクターイラストや二面図を参考にしながら、2Dのキャラクターを3Dへと起こしていきます。

3Dキャラモデルを作るうえで大事にしていることは「忠実にキャラクターの魅力を引き出す」ことです。

携わらせていただいた『ロススト』のメカモデル作成では、基本的にはいただいた設定画を参考にキャラモデルを制作するのですが、アニメ原作で活躍する魅力的なシルエットを再現するため、こだわりを持って作り上げました。
ただ設定画をそのまま立体化するのではなく、「このポーズをしたときに原作内のあのシーンと同じ印象になるようにこのパーツはもう少し尖らよう」「この角度から見た顔は原作のあのシーンの印象になるように少し目の角度を調整しよう」など、原作を再現することはもちろん、360°どこから見ても納得感がある3Dキャラクターモデルを目指しました。

結果として、苦労もありましたが原作ファンの皆さまの期待に応えられるキャラモデル制作ができたのではないかと思います。さらに、3D空間でライトの影響を受けることを踏まえて、面の変わり目ではっきりと明暗の差が出るよう意識することで、メカらしい質感や立体感を実現できたと自負しています。

『ロススト』チーム リード3DCGデザイナーのコメント

作品によっては、イラストなどの参考資料が少ない状態で3Dキャラモデルを作ることもあります。その場合は資料から読み取れる情報をもとに逆算して、描かれていない部分をいかに納得感がある3Dモデルにできるか、よりクオリティの高い3Dキャラモデルとして作り上げられるかが重要となってきます。

3Dキャラモデル制作の難しいところでもありつつ、クリエイターとしての腕が光る部分でもあります。

2. 緻密なバランス感覚でゲーム内の世界観を生み出す「3D背景モデラー」

背景モデルは、ゲーム内のさまざまな画面や場面において必要不可欠であり、主役となるキャラクターたちを引き立てながら、ゲームの空気感、ひいては世界観を生み出す重要な役割があります。

f4samuraiでは、3Dという特徴を活かして臨場感のある背景を作り、ゲームへの没入感を高めることを大切にしています。必要であれば3D背景デザイナーが場面設定を考え、2Dでデザインを起こすところから担当することも。

また、その場でメインとなるもの(キャラクターなど)の魅力を引き出すために、あえて背景は質感を落として目立ちにくくするなど、細かいバランス感覚が求められる領域でもあります。

『ロススト』では、近未来SF、かつどことなく透明感があるビジュアルを表現するために、埃っぽさや泥臭さを強調しすぎないようにしました。

画面の密度を出すことだけを考えるならば、汚しの質感テクスチャやヒビ割れ・サビなどの経年劣化表現を入れる方が正直楽なのですが……原作アニメにおける背景ビジュアルは、澄んだ青い空や、夜の紫がかった色合いの街並みが特徴的で、全編にわたって洗練された色鮮やかな印象がありました。

そのイメージに合わせるため、各オブジェクト明暗のバランス、光源を意識したハイライトや陰影をカラーテクスチャにしっかりと描き込むことでクオリティがより高まるように努力しております。

『ロススト』チーム リード3DCGデザイナーのコメント

3. 一貫した制作でハイクオリティな動きを実現「モーションデザイナー」

モーションデザイナーとは、その名の通り3DCGの動きを作る仕事です。ゲーム開発では、走るモーションや攻撃モーションのほか、動いていないときの待機中モーションを作ることが多いです。

さらにf4samuraiでは、カメラワークを含めたカットシーン制作もモーションデザイナーの担当領域。事前にエフェクトや字幕などの後から入る要素を想定しつつ、キャラクターの動きに対してどうカメラを動かすかを考えるところから、ライトの調整といった仕上げに関する部分まで一貫したシーン制作を行っています。

ただキャラクターに動きをつけるだけでなく、総合的な演出デザインができるので、その場の臨場感や迫力をクリエイターの手でより引き出すことが可能です。

『ロススト』では、各機体に必殺技演出作成させていただきましたが、特徴的な武装を持つ機体が多いので原作内でその武装を使用している箇所を参考にし、細かい部分のギミックまで原作を再現することを心がけました。

そのうえでゲームという媒体に合わせてテンポを上げてよりスピーディーな印象にしたり、カメラをグリグリ動かしたりして飽きの来ない画面作りを目指しました。

リリース後、ユーザーの皆さまから良い反応をいただけたので、こだわった甲斐があったと感じています。

『ロススト』チーム リード3DCGデザイナーのコメント

4. 3DCGをより魅力的にする「エフェクトデザイナー」

エフェクトデザイナーとは、剣閃や火花など、アクションに付随する視覚的効果をつける仕事です。エフェクトは3Dモデルやモーションなど、すべてがそろった後の仕上げ段階で入れる大事な要素です。そのため、エフェクトが入ることで一気にクリエイティブが引き締まったり、完成度がグッと増したりと、3DCGのクオリティに大きくかかわってくる工程でもあります。

基本的にエフェクトは、モデルやモーションをさらに魅力的に見せるために付けられることが多いですが、エフェクト自体が主役になることもあります。例えば、必殺技演出でビームがメインとなるシーンでは、主役のビームエフェクトが一番派手で、迫力が出るように作られています。

このようにエフェクトは、モデルやモーションを補助する役割なのか、エフェクト自体がメインなのかを常に考えながら全体のバランスを見て制作がおこなわれています。

上記の画像は『ロススト』のガウェインという機体の必殺技のシーンです。

ビームをチャージして一気に放つという構成の演出があり、機体自体はあまり大きなアクションをおこなわないので、「とにかく強そうなビームを作りたい!」と思いチームで協力して制作しました。

チャージ完了後の発射直前に、すべてのエフェクトを一瞬抑えてから発射することにより、一気に放出される感じを表現しました。

『ロススト』チーム リード3DCGデザイナーのコメント

どんな人がf4samuraiの3DCGデザイナーに向いているの?

3DCGデザイナーになるためには、前提として3DCG作成ツールであるUnityやMAYAの技術、実際の3DCG制作経験が必要となってきます。

そのうえで、f4samuraiの3DCGデザイナーとして活躍できるスキル・資質は以下のようなものが挙げられます。

▼ 鋭い観察力


納得感がある3DCGデザインをするために必要なのが、自然現象や物の動きに対する観察力です。

例えば、キャラクターの凹凸に対してどのように明暗を分ければよりハイクオリティな3Dモデルが作れるのか、キャラクターはどうすれば滑らかに動くのか、その場の温度や湿度、光の強さはどう表現すれば没入感がある背景にできるのかなど、普段からさまざまなものを見てインプットする力が重要です。

その力をベースにして、「悪役の3Dモデルはあえて影を強くしよう」「エフェクトはもっと派手にしよう」といったさらなるクオリティアップを目指した制作が可能となっていきます。

▼ 全体を俯瞰できる"監督目線"


2D表現でも言えることですが、キャラ・背景・モーション・エフェクト、いずれもどれか1つで完成ということはありません。背景であればキャラクターやUIがのった状態も想定しながら制作しなければなりませんし、モーション制作であれば「後からエフェクトが入るとすると、どう作るのが最適なのか」と考える必要があります。

このように、自身の担当ではない工程のことも考えつつ、常に最終的な全体像をイメージできる監督のような目線も重要なスキルと言えます。

▼「幅広い業務を経験をしたい」というチャレンジ精神


f4samuraiの3DCGチームは、基本的な分業はされているものの、担当領域以外でもできることや、やってみたいことがあれば「一回やってみよう!」というカルチャーがあるチームです。

例えば、「背景デザイナーで入社したけれどキャラモデルも作成てみたい」というご希望があれば、できるところから少しずつ挑戦していただきたいと考えています。

ひとつの領域だけではなく、「幅広い業務経験を積みたい」「違う領域の3DCGデザインにチャレンジしてみたい」という方は、特にマッチする環境だと言えます。

▼「最高のゲームを届けたい!」というクリエイター矜持


かわいいキャラクターは顔がにやけるほどかわいく、強そうなキャラクターは絶対に敵わないと思わせるほど強く、ライバルとのバトルはひときわ熱く……f4samuraiの3DCGチームは3DCGクリエイティブを通して、ユーザーの皆さまが思わず「おおっ!」と声が出そうになるような体験や感動を届けるものづくりを目指しています。

そのためには、良いものを作り上げるためにとことんこだわり、妥協しない姿勢が何よりも大切です。

f4samuraiは3DCGだけに限らず、会社全体がクオリティを重視する風土のある環境です。予算や納期など最低限守らなければいけないことはあるものの、そのなかで「クオリティを追求したい」「クリエイティブを作り込んでいけるのが楽しい!」と思えることは非常に重要な素質と言えます。

3DCGデザイナーのやりがい

実際に3DCGデザイナーとして働いているメンバーからは、以下のような声が上がっています。

自分が作ったクリエイティブに対して、ユーザーの皆さんから反響をいただけたときに一番やりがいを感じます。自分の作ったクリエイティブで喜んでくださる人がいる、というのはとても達成感がありますね。

現代ではSNSがかなり普及しているので、リリース直後から「ここのシーン良かったよね」と話題にしてもらえるのはとてもうれしいですし、がんばって良かったなと心から思います。

あとは、やはり納得がいくクオリティのものを作り上げられたときは、3DCGデザイナーをやっていて良かったと思います。自分が作ったものでも、他のメンバーが作ったものでも、良いものができるとみんなで「実装したらどう動くかな」「今から楽しみですね」と声をかけ合っていて、とても楽しい瞬間です。

2017年中途入社メンバー

やはり、自身が作成したものに対しユーザーさまがSNSなどで感想を書いてくださった際には大変やりがいを感じます。とくにイベント時には、原作にないモチーフのデザインなど自由度の高い業務を任せてもらえることもあるので、より遊び心を取り入れたり演出を工夫できたりする分、ユーザーさまから良い感想をいただけた際には大きな喜びを感じることができます。

また、元のデザインに対し忠実に作成していく場合でも、ゲーム内のカメラアングルに応じて見せ方を工夫するなどクオリティを上げるための要素はたくさんあるので、それらをうまくまとめられたときには達成感がありますし、ユーザーさまやメンバーから評価していただけるととてもうれしいです。

業務の中や自身の研究で得た力に応じて活躍できる範囲も広がっていく環境だと思いますので、クリエイティブな趣味を持っている場合それを大いに活かせる可能性がある点も魅力です。

2021年中途入社メンバー

積極採用中です!

f4samuraiでは、一緒に働くメンバーを積極採用中です! 今回ご紹介した3DCGデザイナーのポジションも現在採用強化中です。「まずはちょっと話を聞いてみたい」という方も大歓迎です。ぜひお気軽にご相談ください!

▼f4samurai Recruitページ
https://recruit.f4samurai.jp/

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CGWORLD様に『ロススト』チームの3DCG制作秘話を取材いただきました!計4回の特別連載です。ぜひご覧ください。


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