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読書log - 『アクロイド殺し』

いよいよ7月、夏だー!と思って京極夏彦氏の『姑獲鳥の夏』をさっき読み終わったが・・・なんと落ち込む読後感・・・!
面白かったんだけど、私的には先に『魍魎の匣』を読んでいてよかったと思う。姑獲鳥の夏を先に読んだらもう他の作品は読まなかったかもしれない。姑獲鳥を読んでからもう一度魍魎を読んだら違った見え方になるんだろうと思う。魍魎の次々視点が変わるのは疲れるけどとても面白かった。

さて、アガサ・クリスティ著の『アクロイド殺し』に向き合おう。
読み終わって3週間は経ったと思う。海外のミステリ100選的なやつに入っていたのでそりゃもう面白いのだと思って意気揚々と読み始めたのだ。読み終わってから感想を読み漁ったが、犯人を知らずに読むのは珍しいらしい。稀有な体験ができて良かったと思う。
もし犯人を知らない人がこれを読んでいたらまず読もう!

感想

完全に騙されたので語らせてください。
もうね、主人公(あえて主人公と言います)に感情移入していたわけです。ワクワクしながら登場人物紹介を読み込んで、いざ読むぞと思ったら一行目で夫人が死んだのに思わずジーザス!と天を仰ぎ、ワクワクする展開だなぁ、お姉さんの諜報力面白すぎる、手紙にワクワク、アクロイドいつ死ぬんだワクワクとしていたわけですよ。
隣人のかぼちゃ事件も面白いし、ポアロのキャラが好き。ポアロが友人を恋しく思っている描写もすごい好き。ポアロとバディを組む主人公も面白い立ち回りだなと思っていたわけです。
特にお姉さんとの掛け合いが癒されてめっちゃ好き。お姉さんのキャラが好きだった!!家に居ながら村の情報を掌握するのマジで面白い。ポアロの手のひらで踊らされているのも微笑ましい。

ここまで好き好きって書いていれば分かると思うんですが、犯人が分かった瞬間の裏切られ方が半端ないのですよ。物事の印象は最後で決まると言いますが、ほんと謎解き前まではかなり好きな作品で、3週間かけて大事に大事に読んでいたんです。それがいきなり突き落とされ、謎解き中に「もうやめて」と手で顔面を覆ってしまうほどでした。
私にはまったく予想もできない犯人でした。手記を読んでいるのはわかっていましたが、まさか、犯人とは・・・。
伏線の回収の仕方が見事でなんか内臓をえぐられるような気分でした。

最後に自殺するのもショッキングです。自殺するぐらいなら殺さなければよかったのでは・・・。かわいそうなキャロライン・・・。



アガサ・クリスティ氏の作品はオリエント急行、ABC殺人事件、そして誰もいなくなった、アクロイド殺しと読んできました。一番最初に読んだオリエント急行が現時点で一番好きです。展開もオチも。姑獲鳥の夏と一緒で、アクロイド殺しを一番最初に読んでいたらもうアガサ・クリスティは読まなかったかもしれない。一番最初に読む作品ってその後の人生にかなり影響するのではないだろうか。
次は気を取り直してマープルものを読みたいと思います!

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