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NYでのコロナウイルスによる影響日記8

3/25(水)

昨夜ビールを飲みすぎてしまい、二日酔いで目が覚めた。

ツイッターを見たら「ebook Japanで横山光輝の三国志が全60巻中59巻まで無料公開」と流れてきたので久しぶりに開いてみると、ヤフーと統合してしまったおかげで電子ブックの売り込み圧が強くペイペイへの誘導がとても目障りなサイトに変貌しており、今みたいに心が衰耗しているときにこういうのを見ると、さらに精神が削られる。

しかし結局はこのサイトの工夫されたインターフェースにまんまと引っかかり、自分では決して検索しなかった「ロトの紋章」を20年以上ぶりに読んだ。確か私が読んでいたのは小5〜中1くらいの頃だったと思う。

「ロト」を読んでたら「ダイの大冒険」も読みたくなった。なんと私は10年ほど前に「ダイの大冒険」を、まさにこのebookJapanで全巻揃えていたので、三国志のことはすっかり忘れて夢中で読みふけった。

ポップが竜騎衆を押し止めるために仲間たちを裏切ったフリをするシーン、そのあとのメガンテ、とにかくポップという男が最高なマンガである。

非常に語りたい気分になってきたが、日記なのでやめておきます。

夕飯を買いに外へ。ロックダウン後はずっと自炊していたが、たまには外で食べないと気疲れする。近所には大したレストランは無いので、マクドナルドにするほかなかった。私はマクドナルド好きなので、それでいい。

相変わらず人々はウロウロしている。マスク着用率はグンと上がったが、依然として近隣の人々は変わらぬ暮らしをしているらしい。遠目に公園に目をやると、やはりジョギング、サイクリングしている人たちで賑わっていた。

帰りに自分のアパートの入口ドアを開けると、鉄パイプを持った、初老の黒人男性が立っていた。

うちのアパートに入るためには2つの鍵付きドアを開けなければならない。彼が立っていたのは、1つ目のドアと2つ目のドアとの間にある1畳くらいの小さなスペースだ。

ギョッとしつつ、とりあえず想定したのは彼が「1つ目のドアは突破できたが2つ目のドアの鍵を開けられず、帰宅者を待ち伏せしている」という可能性。だが、通りに面したドアの向こうでそんなことを考えているほど間抜けではあるまい。ドアはガラス+格子で出来ているため、通りから内部が丸見えだ。

まあどうしようもないので「Hi」と挨拶して通り過ぎようとした。

隣にいる男性に警戒しつつ2つ目のドアに手をかけると、ドアに挟まっていた封筒がパサッと落ちた。

すると彼がその封筒を拾い上げ、私に「気にしなくていいよ。行って」と言った。

私が建物の中に入ると、彼はドアが閉まる直前にその封筒をまた、ドアの間に差し込んだ。

そこで気づいた。「あ、オートロックがかからないようにしてるのか」と。

つまり彼はとっくに2つ目のドアまで突破し、そのドアが閉まらないように封筒で鍵を押さえていたのである。

「なんでや…」

疑問は晴れなかったが、4階にある我が部屋に戻って大家さんに話すと、爆笑しながら言った。

「多分それは隣の部屋の人だね。彼はたまにそういうことをやっている。彼は襲うような人ではないし監視カメラもあるし警察署も目の前だから、大丈夫だよ。
まあ、ドラッグディーラーがたむろしていた頃と比べたら平和になったもんよ。昔はこのアパートでいつも取引が行われていて、ドラッグを求める人々でごった返していた。特殊部隊が乗り込んできたこともあった」

確かに、黒人男性の顔を思い出してみると隣のオッサンと似ていた気がする。4階まで上がってくるのがよほどキツイらしく、いつもゼエゼエ言っている人だ。身構えて悪かったけど、まあわかってくれよな。

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