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東京の街と、瀬戸田と

  

7年というそう短くもない2度目の東京生活を止めて、かねてから実現したかった自給自足を取り入れた循環する有機的な暮らしを始めるべく、そして遅まきながらお金的にも自活する道を歩むべく、瀬戸内海の生口島、瀬戸田にある0円ハウスに2021年10月12日から住み始めた。正確に言うと日本中移住先探しをしていろいろ見て回った結果、ここ瀬戸田に流れつき落ち着いた。北海道の本別を皮切りに、岩手の花巻、福岡の糸島、熊本の阿蘇、鳥取の松崎、広島の尾道と見て回り、どこも良い所ではあったしとても勉強にもなったけれど、ぴったりと合う感じがせずここでやっていこうという気にはならなかった。しかし瀬戸田は違っていた。イメージたるイメージも何もない初めての場所にほいと来たにも関わらず、ここではやっていけそうだという希望と期待が着いた時から湧いてきた。そしてその気持ちは今も変わっていない。瀬戸田は人も環境も美しく、東京の街の持つ豊かさとはまったく違うまったく別な豊かさがある。その豊かさというのはこの瀬戸田という場に居ることで感じるもので、うまくは言葉には出来ないし、しない方がいい類のものだと自分は直感的に感じている。そんな大好きな瀬戸田にもっと馴染んでいけたら良いなあという気持ちと、これから先どうなっていくだろうという楽しみな気持ちがずっと続いている。

地元である九州の田舎に馴染めず東京に生息地帯を見つけて計16年余り都市の隙間の中で生き延びてきた自分にとってはこれは結構なチャレンジと言えばそうなる。精神的に脆い故にしばしばへこたれたり、迷いが生まれたりもするが今のところは概ね順調だ。出来れば腰を据えて長くここでやっていきたいけれど、自分の生まれ持った性分というか性質というのか、そしてそういう定めなんだろう、ひとところには居られない類の人間の様なので、先々にはここをホームとしてたまに別な場所で動いたり働いたりしたりしているんじゃなかろうか、と予想している。これまでやってきた様にどうにもならなかったら止めたり逃げればいいという気持ちもあるし、そういう気軽な気持ちも大切だけれど、今の自分はここで出来る限りがんばるつもりだし、ここでならがんばれる気がしている。

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