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サマルカンドで会いましょう 2

私が中央アジアを知るきっかけになったのが、青の都と謳われるサマルカンドでした。
一面を緻密な青いモザイクタイルで覆われた建物、それで視界がいっぱいになる。


キルギスを訪ねた際聞いたのですが、『世界の果てまでイッテQ!』でイモトさんが訪ねて以降、ウズベキスタンを訪れる日本人が急増しているそうです。


それまでの中央アジア滞在で殆ど東アジア人を見かけなかったので、あまりに多くいる日本人の人だかりを見て、「あれもう帰ってきちゃったかな?」と拍子抜けしたほど。

旧市街の中心地ともいえるレギスタン広場は世界中からの観光客で賑わっていて、別にこういうのを求めにわざわざこんな遠くまで来たんじゃないんだけどなぁ、と釈然としない気持ちでいました。かつて指導者が学び舎として建てた荘厳な建物も今や、部屋という部屋が土産物屋に様変わりして、前を通るたび「ハローマダム、コリアン?チャイナ?」と声がかかります。
ここに、どうして私は来たんだろう?
灼熱の太陽に照りつけられて、頭がだんだんぼんやりしてきました。



シャーズヒンダ廟は、ティムール朝時代の王族たちの霊廟群だそうです。
と、言っても高校は理系選択だった私は時間軸と世界軸が全くわかりません。こういうとき何時も、無茶してでもセンター世界史選択してとけばよかったかなぁと思ってしまいます。大好きだった世界史の先生に止められてやめたのですが。
それは、旧市街観光地の中では、少し外れた場所にありました。


傾斜のきつい石段を登りきって目の前に飛び込んできた景色を見たとき、思わずあっと言ってしまいました。
私が夢見た青一面の世界が、そこに広がっていました。


これだ、私が見たかった景色は。これだった!

目頭が熱くなる感覚を、久しぶりに覚えました。建物が美しかったのはもちろんです。
昔から、「いつか行ってみたい、見てみたい」と願った光景が、でも簡単に行けそうにない、と思っていたものが、目の前に広がっていることに感動したのです。

あぁ、叶うんだな、これまで色んなものを「きっと無理だ」とどこかで諦めてきたことが多かったけれど。
色んな国籍の人が通り過ぎ、各々写真を撮って去っていく中、私は見惚れて2時間以上、閉園時間までとどまっていました。

きっといつか、また必ず来よう。
西日を浴びるその青い群を眺めて、そう思いました。

ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます!