『女の子に奢らないなんて、ありえない』

さて、これを読んでくださっているあなたは、どうだろうか。
こういう考えはおそらく80年代あたりに醸成された考えだと勝手に推測している。バブル絶頂期短大生だった伯母がまさにこのマインドであるからだ。

私がお酒を飲みにいく相手は、ほぼ9割5分男性。別に男性に媚びているとかではなく、自然とそうなっているだけ。
ここで、男性先輩諸氏の、お付き合いに関するお金のスタンスを紹介したい。

院生Eさんの場合
Eさんは私が学部生の頃の院生で、年は5つほど離れている。
私が在学中はあまり接点はなかったけれど、twitterを通じておしゃべりをする仲ではあった。それがあり、私が就職してからひょんなきっかけでその先輩と2人で食事にいく機会があった。
席についてしばらくしてから、彼はおもむろに切り出した。

「僕はね、長く関係を続けたい相手とは、金銭的にも対等でいたいんだ。だから、奢るということはしないけれど、いい?」
「ああ、もちろんもちろん。いいですよ」


その日の食事代は、端数は彼が持ってくれたがしっかりと割り勘をした。
その後ドライブに行ったこともあるが、レンタカー代を彼が持つ代わりに、私がガソリン代を払った。お昼ごはんはきっちり、別会計にした。


兄貴分Mさんの場合

Mさんは私が入っていたサークルの4つ年上の先輩で、いわゆる「赤提灯」系の居酒屋さんが大好きな先輩。兄貴肌で面倒見の良い方だ。
彼は、年下の私に殆ど財布を開かせようとしない。

「いいからいいから。」
「いやでも、悪いです、少しは貰ってくださいよ」
「わかった、じゃあそのお金で、後輩に還元してあげてね。俺はいらない」


そういう訳で今まで一度も、お酒の席でお金を受け取ってもらえていない。


Eさんの話をすると、結構な確率で「えっ、ケチだねその人!!」と言われる(特に50代のおじさん方には)。でも私は全く気にしていなかった。最初にはっきり言ってくれて、いいな〜と思ったほど。
Mさんは本当に気前のいい方だからいいけれど、毎回全て奢る人の中には「こんなに奢っているんだから(=尽くしているんだから)、僕の要求聞いてよ」みたいな態度を滲ませてくる人が、いないわけではない。援助交際の構図じゃないか…と、迫られた時のことを思い出すと今でも身の毛がよだつ。

そして、私の場合

私は、年上の先輩がたとの飲み会代に関して明確なスタンスというのは、正直ない。
「男(の先輩)なんだから女(の後輩)に奢って当然でしょ」とか、「いや、金銭的な引け目があるのはいやだ。きっちりイーブンにしたい」とか。
「うーん正直それぞれの相手との関係性に200%依存するので、どうでもいいです」が正直なところ。
お金や人間関係に対するスタンスは本当に千差万別なので、こうじゃなきゃぜったい嫌、というのは、ない。

でも一つはっきり言えるのは、「『〇〇だから、〜して(されて)当然』ということはない」、ということであろうか。

男だから女だから、年上だからXXしなきゃ、というのは、何とも言えない違和感を感じる。セクシャリティの呪縛から離脱して、もっと自由に、ゆとりを持った考え方をしたい。奢るのと割り勘、どっちがいいか悪いなんて、そもそも存在しない解だから。

というわけで今日のタイトルに対する私なりの回答は、
「『女の子に奢らないなんてありえない』なんて、ありえない(けど可愛がってる女の後輩には頑張ってご馳走したくなるよね。ウンウン)」である。

ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます!