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ヒトとマチをつなぐデザインとは

表題に興味を持ち、菊竹 雪先生の講座を受講してきました。都市や建築のスケールで展開される「Super Graphics」についてのお話と、デザイナーに大切なものという構成の90分でした。参加者は15才から84才までと非常に幅広い層が興味を抱くテーマだったようです。

はじめに、一枚の鉄板をちょっとした工夫で生活に便利なものに変えられるというメッセージを発信した企業の広告が紹介されました。

続いて、工事現場が景観を作る事例紹介。

通常だと何の変哲もない工事現場の幕や仮囲いが、デザインされることにより、場所、建築物の文化や特性などのストーリーが生まれ、街には新たな景観を創りだし、そこに様々な人が思いをめぐらし、そこにコミュニケーションが生まれていました。楽しいですね。

フランス凱旋門の工事中にはトリコロールの幕を張ったそうです。ただしコストが問題になっていたので、工事後にその幕を切り取って売ることによって解決するという提案で実現できたとのことです。芸術の都パリということで、熱い想いがあったことが想像できるエピソードです。

一方日本では、

日本橋の高島屋では紙袋のデザインをそのまま模写した幕が張られました。

「只今、スキンケア中」というコピーで端的にメッセージを表現しています。

六本木ヒルズのアウディでは、ガレージのデザインにして奥行きや空間を表現しています。「JUST MARRIED」のコピーは新たな門出を祝福しているのでしょうか。

工事現場ではないですが、デザインでもっと都市は楽しくなるということで、リヨンのだまし絵壁画が紹介されました。リヨンは食事と壁画が有名とのことでした。リヨンに対する私個人の知識は乏しく、フランス内ではそこそこ強いサッカーチームあるくらいの知識だったのですが、今回の話をきっかけに興味を持ち行きたくなりました。紹介された壁画以外にもたくさんありそうです。しかも、定期的に一部塗り替えられるそうです。

フランス繋がりでポンピドゥーセンターのお話もされていました。フランス行きたい。。。

日本に戻ると、鋳造で作られたマンホールのふたが素晴らしいと紹介されていました。ただし、カラフルで企業広告が表に出すぎているもはちょっと。。。

地面つながりで、横断歩道も色々とデザインされているものがありました。(写真撮り損ねました)

また、下記はスピードを落とすためのデザイン。楽しむだけでなく、錯覚を利用して安全に生活するためにもデザインが利用されています。ただし、子供のデザインは効果はあるものの、色々な人の気持ちを考えると良いデザインではないため、現在は使用されていないそうです。右下の突起物デザインは日本で使用されています。

都市空間でのメディア(広告)展開としては、IKEAのラッピング電車が内装に全てIKEAのファブリックを使用していて徹底していてすごかったです。
意外とみなさん普通に乗車していたりもしたようです。http://tachikawatimes.com/ikeatachikawa_partytrain2.html/

メディアのデザインが住民に長らく受け継がれてきたことによってそのもの自体が文化や誇りになった事例として、2つありました。

1つは、スペイン全土にあったオズボーンという会社の雄牛シルエット(高さ十数メートル)の屋外看板が屋外看板に関する法改正による撤去命令を受けた時に、国の財産だという国民の声で撤去されずに残すことになった。

もう一つはアメリカで、どちらかというとあまり住居の近くにないほうが望ましいと考えられるガスタンクがデザインされていたことによって住民にとって価値あるものに変わり移設の話が出た時に反対運動が起き、移設されなかった。

最後にデザイナーに大切なものは、社会、技術、芸術、建築、遊び、過去、生活に対する好奇心であるという結びで講座は終了しました。

このデザイナーに大切なものの説明は、通常は10代、20代の方にお伝えしている内容ということでしたが、今回は参加者の幅が広かったので、人生を生きるために必要なものに置き換えて考えてみてくださいということでした。

確かに上記に限らず普段の生活でも色々なことに好奇心を持つことは人生を豊かにするはずです。

様々な街で様々なデザインが存在していることを改めて気づかされました。

旅行行きたい。

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