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音楽が無ければきっと死んでた


" NO MUSIC, NO LIFE. "


それは、CDを求めてタワーレコードに行くたび、必ず何かしらで目にする文字。


音楽が無ければ、人生じゃない。


思えば、多感な思春期から社会人4年目の現在に至るまで、幾度となく音楽に救われてきた。

あの時あの音楽が無ければ、私は全てを諦めてこの世に別れを告げていたかもしれない、そんなことが多々あった。

あの時あの音楽に出会ったから、ライブへ行くことを覚え、心を豊かにする趣味が増えた。

音楽を聴いて現実を忘れないと眠れないような今日この頃だから、そんな音楽たちのことを振り返って綴ろうと思う。


ピアノと吹奏楽しか知らない自分が、初めてバンドに触れた BUMP OF CHICKEN


中学2年で同じクラスになった男子に勧められた、BUMP OF CHICKEN。

天体観測はなんか聴いたことあるな、というのが第一印象。

5th アルバム orbital periodを聴いたところどハマりし、毎日BUMPを聴いて過ごしていた。

ボーカル藤原さんの優しい歌声、文学的とも哲学的とも言えるような歌詞、星にまつわる曲が多い。

特に「ひとりごと」という曲の歌詞は、未だにいろんなことを考えさせられる。
優しさって何なんだろう、結局エゴなのだろうか、とか。

人生で初めてライブに行ったのもBUMPだった。
生で聴く歌声はこんなに感動するものなのかというほど感動し、数日放心状態だったことを覚えている。
MCでゆるゆる話してくださったのも楽しかったな。


志村正彦という存在に心の全てを持っていかれてしまった フジファブリック

ラジオを聴いていたら不意に耳についた、フジファブリックの「若者のすべて」。

なんとなくその存在が気になり、YouTubeで動画を見てみた。

若者のすべてのMVを開くと、まず目に飛び込んだは、大きな瞳を持つ綺麗な顔のボーカル志村正彦さん。

叙情的な歌詞と、どこか独特な歌声が印象に残った。

叙情的な歌詞、独特な歌声、そしてときに変態チックな歌詞。
その振れ幅が新鮮で、みるみるうちにハマっていった。

高校1年の夏頃だっただろうか。

悲しき事実、志村さんはもういないということを知るまでに、それほど時間はかからなかった。

その事実を知って以来、しばらくはフジファブリックを聴くたびに感傷的になっていた。

好きなのに、聴くとどこか辛く寂しくなる。

その頃は進路選択などでいろいろと迷っている時期でもあったので、いっそ彼と同じ歳で同じ世界へ行ってしまいたい、などと不謹慎なことすら考えてしまっていた。

彼の歌詞やインタビューに触れるうち、山梨・富士吉田へも興味が湧き、大学生になってから行ってみたりもした。

音楽・曲だけでなく、その人となりも知った上で曲を聴き楽しむようになったのは、フジファブリックがきっかけだったかもしれない。

今は3人体制の曲も昔の曲も好きで聴いている。

山内さんも、本当に優しくて良い人なんだなぁと感じている。


どん底にいる時に寄り添ってくれた amazarashi


高校2年の進路選択。

友人が何らかの志望校を掲げる中で、やりたいことも夢もなかった自分。

究極的に、やりたいことがないのに大学を目指す資格も生きる意味も無いのではと感じ、気分はどん底に陥っていた。

次第に友人と話すことすら怖くなり、頭の中は常に曇っているように感じられ、上手く笑えなくなっていった。
いっそ消えてしまいたいと思っていた。

そんな時、ラジオから流れてきたのがamazarashiだった。

しゃがれたような渋い低音の声。

「つじつま合わせに生まれた僕等」という曲の歌詞は、その声と相まってとても強烈に響いた。

アルバムを聴き、「ジュブナイル」という曲に心を打たれて、しばらく毎日のように聴いていた。

絶望から希望を見出す、文学的で哲学的な詩の世界観と、それに似合う渋くとも優しく力強い低音ボイス。

どうしようもなく鬱々としていた受験期は、真っ暗な部屋でイヤフォンを付けて、大音量でamazarashiを聴いていた。

それが唯一の心の救いだった。


これが天才か、という人に出会ってしまった 藤井風



母親から勧められて知った、藤井風さん。

ピアノの指がよく回るなぁと思ったのも束の間、そのルックスと歌声とに、殺られた。

天から何物与えられたんだ、と思わせるような人。それでいて自分より年下。見た目が大人過ぎる。

話せば英語は流暢だし岡山弁だし、何なん。

カバーもオリジナルも、ライブのクオリティもとてつもなく高いようで、ほんと凄いなぁと感じている。


思わず亡き人の姿を見出してしまった Cody・Lee(李)


つい先日、メジャーデビューしたばかりのバンド。

フジファブリックが6月に出演するフェスの中に、1つだけ知らないバンドの名があり、気になっていた。

ボーカル高橋響さんは、フジファブリックに憧れて音楽を始め、フジファブリックと同じSONYからメジャーデビューすることを夢にしていたらしい。

そしてその夢を叶えた上、対バンまで果たすという。

それだけで素晴らしすぎた。

その前情報の上で「世田谷代田」のMVを見た時、思わず息を呑んだ。

おかっぱ頭、優しい歌声、少し頭を揺らす感じ、叙情的な歌詞。

志村さんの面影をそこに見出してしまった。

叙情的な歌詞、時に変態チックな曲調、長くてかっこよいギターソロ。
大きな違いでいうと、高橋さんと尾崎さん、男女のツインボーカルである点が、このバンドの強みであり新しさだなと感じた。

故に、フジファブリックの影響を受けていることは明らかで、それでいてどこか新しい風を運んでくるバンドだなという印象であった。

メジャーデビューと同時にリリースされたアルバムも、内容盛りだくさんで楽しく聴いた。メジャーデビューおめでとうございます。

見た目と中身、歌とMCのギャップがえげつない 小林私


そして最近知って聴いているのが小林私さん。

昨年頃、テレビ番組 シブヤノオトで偶然見かけて、ギター1本で力強く歌っている姿が印象に残っていた。

最近になってYouTubeで調べて聴いてみたところ、まんまとハマってしまった。

長髪が似合う中性的な顔立ち、それでいて渋い低音ボイスとがなり声。
歌っているとシュッとしているが、喋り出すと飄々とした明るいオタク。

最初はそのギャップの印象が大きかった。

しかし、その歌詞に触れ、インタビューや配信に触れてその人となりが見えてくるうちに、音楽そのものにハマった。

どうも自分は、どこか文学的・哲学的である歌詞に惹かれるらしい。


そしてそれらは、歌う彼ら自身が人生で何らかの希望と絶望の双方を味わったからこそ書けるものなのだろう、と感じている。

故に、彼らの人となりやバックグラウンドを知った上で、彼らの音楽と彼らの存在そのものを好み楽しむ傾向にあるのだろう。


小林私さんは、一見ひたすら明るい人のようだけど、歌詞の端々に哲学や根暗さが感じられるので、根暗としては非常に共感できる。

特に、自身でも暗い曲だと仰っていた「HEALTHY」の終盤の歌詞を聴くと、どこかに自己卑下感や自己評価の低さを持っている人なのではないかと感じられる。

最近、久々に音楽を聴いてないとやっていけない心情に陥っているので、通勤時間や寝る前はよく小林私さんの曲を聴いている。

感覚としては、amazarashiを聴いて救われていたあの頃と似ている。


未だに、生きる意味はよく分からないし、仕事はしんどいし、なのに頑張り過ぎてしまうので毎日疲れる。

消えてしまいたい夜は少なからずあったし、今も時々あるけれど、こうしていろんな音楽に出会えたから、ここまで生きてきた。

一度ハマったものを永遠聴き続ける傾向にあるので、新しい音楽にハマることはないだろうと思っていたら、藤井風さんや小林私さんと出会ってしまった。

少なくとも彼らの歌声を生で聴くまでは、死ねないかなと思ったりしている。

こうやって今日も、自分は音楽に生かされている。

アーティストの皆様、本当にありがとう。

NO MUSIC, NO LIFE.

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