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ポンコツ忍者チームのキラキラな日常⑥巨大魚の行く末

ここは伊賀の杜大忍術専修学校にある炊事罵

先ほど僕の仕込み杖の凶刃に倒れた1匹の巨大魚が、元の形が分からぬほど異形の姿に変貌している。鼻をつくツンとした匂いが、胃に刺激を与え、激しい痛みとなって襲ってくる。

「メカジキのソテー ソースシャスールでーす」
パリッと焼けたメカジキが、玉ねぎ、トマト、白ワイン酢のあいまったソースで蒸され、食欲をそそる酸味となって、胃酸を溢れさせる。
空腹と胃痛に悶えていたゆるりんとひらりんは、皿に盛られた料理に匙を構えると、目にも止まらぬ早業で平らげ、
「おかわりー!」
と、元気に声を揃えた。
僕はハイハイと返事をしながらおかわりをよそうと、いまだに食べる勢いの衰えない2人の乙女を眺めた。
(そういえば、最近野菜と魚しか切ってないなぁ)
お肉が苦手なひらりんのために、僕が料理するのは魚ばかり。それは良いのだけれど、そもそも忍の刀って、何に使うものだっけ?
そう思いながら、明日の献立は何にしようか?平行思考する今日この頃なのでした。

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