秩父おばけ旅①
小樽で絡まれたときの友達Aとはよく一泊温泉旅行に行っていた。
その年はわたしがアスレチック(命綱をつけるやつ)にハマっていたので、アスレチック→温泉宿のコースで秩父へ行く事にした。
よ〜く身体を動かしてほどよく疲れ、宿に向かう。
チェックイン時に、夜8時に宿からマイクロバスが出て蛍を見に行けるがどうしますか?と聞かれ、友達Aに判断を仰ぐ。
友A『う〜ん…行かなくていいかな。』
珍しいな、と思った。
旅は一期一会じゃないけれど、私たちはおもしろそうな事にはわりと乗っかっていくタイプだったから。
Aが行かないならわたしもそれでいいので、見送ることにする。
泊まる部屋へ案内される。
和室である。お部屋探索をする。
ここが浴衣ね〜?と、箪笥?クローゼット?
カチャッと扉が閉まるタイプのやつ。
そんでこっちに〜……カチャッ
……開いたな??
う〜ん、ま、いいか。
探索を終えて、お風呂も済ませ、
夕食はお部屋で食べる予約をしていた。
時間になりベルが鳴り、
仲居さん『お食事をお持ちしました〜』
声が甲高いから、女性だと思った。
ふすまが開くと、持ってきてくれたのは小柄なおじさんだった。体感130cmくらいの。
何事もなく美味しくご飯を済ませて、すっかり疲れたので寝ることにする。
うとうとしながら、外の音がすごい聞こえるな〜と思っていた。
周りを木々に囲まれている宿だからそらそうか…
パキッ… 枝を踏む音…?
カサカサッ… 葉っぱが擦れてる…?
カタカタカタカタ… 来た時からエアコンカタカタ鳴ってたね…
ゴロゴロッ… 飲みかけのペットボトルが転がる音ね…これはわかるよ…
ペットボトルって自力で転がるんだっけ…
え…怖……
って所でたぶん寝て、朝になる。
起きたらそんな事はすっかり忘れて、朝食を食べに行く。
Aが生卵をお皿じゃない所にぬるっと落としていて、まだ起きてないねぇ〜とか言いながら食べ終わる。
チェックアウトまで余裕があって、いつもなら朝風呂行っちゃう?とかなるはずなのに、この日は異様な眠気に襲われて起きてられずに仮眠し、
そのあと無事にチェックアウトした。
ペットボトルの事も、すっかり忘れて。
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