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「泣きながらごはん食べた人は生きていけます」

ヘッダーの素敵なイラストは「spring Tuuli」さんからお借りしています。とても好きです。

さて、私はこの怪我の期間中に大好きだったドラマを一気見したのだった。

「カルテット」
四重奏は楽器を4人で演奏することを意味する。

主人公の真紀(松たかこ)はヴァイオリン、別府くん(松田龍平)は第二ヴァイオリン、すずめ(満島ひかり)はチェロ、家森さん(高橋一生)はヴィオラ。

それぞれ楽器に特色があり、性格も分かれているのだけれど、バラバラな個性を持ちながら「協調性」が必ず必要。音を聞いて、誰かを生かして、自分の旋律も乱さない。それはとても心地よくて、押し付けてもいなくて、ただ、音楽を通して「人」が優しく支え合っている様がいいなと思う。

人の事言えないけど、「私が、私が」と世の中みんな前に出過ぎやしてないかな…。

個性は大切。主張も大切。対立も大切。全員との意見一致なんて一生あるわけない。

一辺倒でその人を見たらそれで終わる。人間なんて完璧じゃないって知ってるはずなのに、なぜ自分の価値観をぶつけて正義面しちゃうんだろう…。

人が好きだけど人が苦手な私。
自分の中の正義が暴れ出すとき、どうも腹が立ってその正義をぶつけたくなってしまう。そうすると、大抵良くない事が起きる。「面倒な人」になっていく感じが否めない。

「なんで分かってくれないの…」と悲壮感がやってくる。
だからといって、顔色ばかり伺いながら人間関係のバランスばかりとっていると、綱はだんだんぐらぐら揺れて、振り落とされたりする。

私は、誰かに振り落とされたんだろうか…。

いや、振り落とされて良かったんだ。

あのまま綱をわたり続けても疲労と恐怖と終わりのない苦しさにもがくだけだったのだろう。

今はそう思うことにする。

カルテットを観ていると、一人一人が愛しくて泣けてくる。背負ってきたものの重さとか、不器用さが好きで泣けてくる。

「なきながらごはんたべたひとは、いきていけます」

主人公のマキがチェロ奏者のすずめにそんな事を言うシーンがある。

私も泣きながら何度もご飯を食べた事がある。
気が緩んだ瞬間にしか流せない涙もある。

話を戻して…

衣装とか照明とか食べてる料理とか、配役とか私的に好き過ぎるポイントが高くて、とにもかくにも完璧すぎるドラマなのだ。脚本はあの「坂本裕二さん」だから面白くないわけがないのだけど。

サントラを担当しているフォックス キャプチャー プランのハイセンスなジャズロック音楽も好き。ピアノの旋律がカッコ良くて印象的なのに心地よい。これって画期的だとおもう。


クラシックに詳しいわけでもないけど、音楽を通して一つになれるって素敵だ。

私も…好きな事っていうか、自分が良いと思っている事を一つになってやり遂げられる仲間をずっと探しているのかな。

ドラマの中に、「志を持った3流は、4流だからね」というセリフもある。夢をあきらめきれない大人をみっともないと思って言っているのかもしれないけれど、それにも正直グッとくる。

私はみっともなくていいと思う方の人間で、綺麗でばかりいたくないのかもしれない。

4流なら4流なりに生きてみせるよ。なんてな。


子どもの時にアニメや映画で観て夢みたような仲間をずっと探したりしながら、誰かにとって居心地のよい居場所を作り出して行きたいと思っている。

人生はずっと夢の途中なんだ。



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