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清明節にシルクロードへ行った 前編(敦煌)

中国の4月頭は日本のお盆の様なご先祖さまの魂をお迎えする清明節連休がある。この連休を利用して敦煌、嘉峪関、漲液へ旅行した。敦煌へは行ったことがなく、かねてから行きたいと思っていたところへ、友人から日本人会のツアーに一緒に行かないかと声を掛けてもらった。知り合いのJさんに相談したら自分も行きたいので旅行計画を立ててくれるという。この人はかつて大阪で旅行会社に勤めていた経験あり、非常に優秀な成績だった人物。立ててもらった旅行計画は敦煌の莫高窟だけではなく、万里の長城の西果て、砂漠のラクダ体験、西果ての関所である嘉峪関、高速鉄道での移動、中国最大の涅槃像、7色に山が色分かれしている大自然、と見どころてんこ盛り。とは言え行く前はさほど期待はしていなかった。事前に映画の「敦煌」をみて、これがつまらなかったのだ。
メンバーは6名。楽しい個性の面々だったので非常に楽しかった。

北京から敦煌まで1872㌔
中国広すぎる

北京から敦煌へはAir China便、スターアライアンスなのでゴールドメンバーである私は北京空港のCAラウンジが使える。以下の様なビール類や清涼飲料水、そしてインスタント麺などが楽しめる。

ビールを?本いただきました♪

今回旅をアレンジしてくれたJさんはよく喋る。飛行機の中でも機関銃の如くおしゃべりが続く。旅を通してJさんは知らない人とすぐに仲良くなる気質を見せていた。羨ましい限り。

敦煌には21時頃到着。泊まったホテルは4つ星とのことだが十分に広くてきれい、かつシャワートイレが備え付けられていた。これは嬉しい。軽くお尻を洗ってから近くの夜市へ夕飯を食べに出た。

夜市にはこんな店がたくさん

西域の食事と言えば羊。今回の旅では羊肉の串焼き、羊肉のスペアリブなどふんだんに堪能した。更にはラクダ料理も。

羊串、ビール、白酒。
ラクダの掌料理

ラクダは食べる部位がふんだんにありそうだが、意外と掌のみ、というか肉球を煮込んだ料理。土地の珍味的位置付けだろう。一皿268元とは日本円で五千円を超す値段なので安いものではない。私は食べ物の好き嫌いがないのでラクダも美味しく頂いたが、一般的な日本人にはあまり受け入れられないかもしれない。一方羊のスペアリブの塩茹では万人受けするのではないだろうか。とても美味しかった。あと、沙葱、日本語では砂ネギの炒め物は細いネギのシャキシャキした歯応えが大変良かった。

中段右から2番目がラクダの掌料理268元也
店の名前が東来順ならぬ敦来順
ビールは3㍑のタワーで来ます

とにかくビールが飲みたい。レストランのテーブルにつけばその気持ちがおさえられない。メニューを見ると意外と種類があり、どれにすべきか決めあぐねるのももどかしい。隣のテーブルを見ると、大きなタワーに入ったビールを楽しんでいる。私たちもそれにしたのだが、味が薄い。違う銘柄のビールも試したが、やはり薄い。敦煌はどうもビールは薄味のようだ。

敦煌中心部に立つ反弾琵琶奏法
紀元900年以前に描かれたであろう第112窟の壁画を像にしたもの
ジミ•ヘンドリックスが千年後に奏法を再現

さて翌朝から莫高窟見学。まずはホテルの朝飯。ここでは写真の様にラーメンを手伸ばしで作って振舞ってくれる。こちらでは普通なのかもしれないが、ツルツルした麺でとても美味しい。

手延べ麺、ウマシ

さて、莫高窟。以下Wikipediaの記事。

4世紀から約千年間、の時代に至るまで彫り続けられた。大小492の石窟に彩色塑像と壁画が保存されており、仏教美術として世界最大の規模を誇る。1900年敦煌文書が発見されたことでも有名。1961年に中華人民共和国の全国重点文物保護単位に、1987年にユネスコ世界遺産(文化遺産)に登録された。雲崗石窟龍門洞窟とともに中国三大石窟(中国語版)のひとつに数えられる。敦煌市の東南25kmに位置する鳴沙山(めいささん)の東の断崖に南北に1,600mに渡って掘られた莫高窟・西千仏洞・安西楡林窟・水峡口窟など600あまりの洞窟があり、その中に2400余りの仏塑像が安置されている。壁には一面に壁画が描かれ、総面積は45,000平方メートルになる。敦煌石窟・敦煌千仏洞と言った場合、広義ではこの全てを含むことになるが、歴史・規模・内容全てに渡って莫高窟が圧倒しているために敦煌石窟・敦煌千仏洞と言った場合でも莫高窟のことを指すのが普通である。

1375年位から1900年位までは忘れられた存在だったとのこと。
莫高窟に着くとまずは新しく建てられた感じのツーリズムセンターに入り、この中で敦煌についての短いムービーを2つ見ることになる。2つ目のムービーは専用のドームシアターになっており見応えがあった。かなりお金がかかっている施設だと思われる。そこからバスに乗り込み数分で下の写真の洞窟群が見えてくる。

かなり立派なビジターセンター トイレはTOTOだった
こんな岩山に洞窟がたくさんあり、その中に1000年を超える歳月を経た壁画や仏像があるのだ

我々には日本人ガイドが1名ついた。このガイドさんがそれぞれの窟の鍵を持っており、我々がその窟を参観するときに、窟の入り口の扉の鍵を都度開けて中に入るようになっている。なお、どの窟も中は撮影禁止となっている。窟の中はとても暗く、ガイドさんがLED懐中電灯1本持っており、説明の際はそれを照らす。照らしてくれる時間は短く、暗くてよく見えないところもある。基本的に、仏教関係の壁画だが、事前に聞いていたように、時代ごとにその造形が異なるのが面白い。一般の入場券で見ることができる窟の他に特別料金を払うと見ることができる特別窟がある。最も古いと言われる5世紀頃北涼時代の窟を含めたっぷり鑑賞することができた。

この様にガイドさんが都度窟の扉の鍵を開けて中に入る

莫高窟で最後に鑑賞したのは大仏である。莫高窟のシンボル的存在である一見五重の塔の様に見えるこの建物↓。第96窟であり、中には高さ37㍍の立像大仏がズドーンと立っておられる。

96窟。この中に高さ34㍍の大仏様が立ってらっしゃいます。

朝9時くらいから莫高窟を訪問して14時頃までいた。今思い出しながら文章を書いていて、もっと中国の歴史を知りたい、また行ってみたい気持ちになっている。今回参観したのは45、16、17、61、62、63、158、275窟。こちら↓のサイトでよく復習したい。
http://tabi-dunhuang.com/mogaoku-art-02.html

この日は6300㌔以上ある万里の長城の西果の方に現存する紀元前100年頃に作られたという長城跡や玉門関なる関所や狼煙台を参観した。写真の様に泥で築かれた壁がしっかりと残っている。

紀元前100年に作った土壁が現存する不思議
壁の高さは精々3㍍ほど
地平線見るのも貴重な経験
砂漠の治安はこの人が守っております
お疲れ様でございます
陽関。紀元前100年頃の狼煙台
つい余計なことをしてしまう

さて観光2日目は砂漠の砂山でラクダ乗りである。

このラクダに乗らせてもらう
100頭は優にいました
ラクダ使いのおじさん
写真を撮ってくれる際に様々なポーズを要求される
こんなポーズを取らされました
砂は非常にさらさら
ラクダ信号が微笑ましい
オアシスってどうして水が貯まるのか?ここは地下水らしい
この三日月型の月牙泉の水深は90㌢程だが、昔は3〜4㍍あったそうな

北京から1800キロの彼方は今も昔も中国で、その歴史が莫高窟や万里の長城に跡を留めている。

お土産屋さんははラクダグッズで溢れてました

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