Web小説発掘記 その272 月と魔女と異世界と 作者 カラスウリ様

本編URL

https://kakuyomu.jp/works/16818093073945660141

前書き

この記事は作品のネタバレを含みますのでご注意。
こちらの記事はあくまでも筆者の個人的意見です。
評価の基準としては200円~700円前後の書籍を購入し、読んだものとして付けさせていただきます。そのため基本的には厳しめとなります。
※こちらは記事を書いた時点での最新話である『8.安息』までを読んでの感想、レビューとなります。

ストーリーと見所

かなり落ち着いた雰囲気の異世界召喚系ファンタジー小説。
近年では珍しい……いや、別に珍しいというほどでもないが。転生ではなく転移した女の子が主役のお話。

文章がとても落ち着いていて読みやすく、心情と描写のバランスが良く読んでいて疲れない。
その上でちょっとした言葉選びから作品の雰囲気がいい感じに醸し出されていて、作品への没入度は高め。

物語としては少女が魔女と出会い、少しばかり言葉を交わしたり彼女がこの世界にきた理由を語られたりする……と言うもの。
二人の会話も小気味よく、物語全体の空気感とマッチしている。お茶の香りが漂ってくるような、そんな雰囲気となっている。

……まぁ、つまり始まったばかりなのであんまり語ることがないというのが正直なところ。
とはいえ上で書いたように作品の空気感はその短い文章の中でしっかりと表せているし、その辺りの技量というかそういった部分に関しては信頼してもいい作家さんといえるだろう。

それに加えて何やら不穏なキャッチフレーズがとても心に残り、ここから展開していく物語に大きな期待といい意味で不安の影を落としてくれるのも個人的にはポイントが高い。

キャラクター

烏丸 月音

物語の主人公。

今のところそこまで沢山描写があるわけではないが、割とはっきりと物を言ったり異世界で戸惑いつつも行動するなど芯の強さを伺いすることができる。

そういった意味では、短い文章の中にしっかりと彼女のキャラクターが理解できる材料が含まれているといえるかも知れない。

ミェール・ウィッチ・ラヴェリエスタ

魔女。

流石に彼女に対しての詳細はまだわからないことだらけだが、一先ず友好的というかフレンドリーに会話をしてくれたりはしている。

彼女が今後主人公とどのように関わっていくのかが、物語の重要なポイントの一つ……だと思う。

総評

評価点

読みやすく、物語の空気感にあった文章が光る。

二人の会話も適度にテンポが良く、読んでいてなかなかに楽しいものとなっている。

問題点

まだ始まったばかりなので、よくわからぬ。

最終評価 54点(Web小説としては充分な良作)

正直まだストーリーが始まったばかりなので、いいか悪いかの判断は今一つついていないというのが正直なところ。

とはいっても、少なくとも序盤を読んだ時点では読みやすくストーリーも頭に入ってきやすいなど、全体的な印象はとても良いものとなっている。

物語の全容はまだ見えないが、それでも充分に期待できる作品となっている。

所要時間は記事を書いた時点での最新話である『8.安息』までで凡そ5分ほど。

極めて個人的な感想

始まりの印象はとても良い。

地の文と会話のバランスというか、適度に力が抜けた二人の会話や台詞回しがとても魅力的で、今後どのようにストーリーが展開していくのか非常に魅力的な物語になっているように思える。

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