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人生の振り返り ④タイミング

就職した会社は、建設系の小さい会社。
事務員は私を入れて3名。
私が1番年齢が若い。
男性は、それぞれの担当現場に行くので
会うのは、早く帰ってきた男性のみ。

若い私が入社したので、最初はモテた。
ただただ、若い女性が珍しいだけだが。

入社してしばらくして、20代後半の男性に
声を掛けられた。
兄が学生の時、アルバイトをしていたこともあり
彼のことは兄から聞いていた。
ただ私のタイプでは無かった。

自宅が近所ということもあり、彼が早く会社に
帰宅した時は、送ってもらうことも何回かあった。
そんな時、休日にドライブに行こうとのお誘い。
その時点で、私に好意を示してくれているのは
分かった。
だから、二人で行くのは少し考えた。
友達の都合も合わず、結局二人でドライブに
出かけた。
ドライブ中に、膝を開かないように
していたからか、
後日、筋肉痛になったのを覚えている。

しばらくして、彼から「僕の彼女にならない?」と告白された。
7歳年齢が離れていたのもあり、お兄さん的な
感覚もあり、彼氏と考えるとピンと来ず
お断りした。
そうしたら、彼の目から涙がポロポロこぼれた。
衝撃的というか胸が痛くなった。
男性の涙を初めて見た。
同情した訳では無いが、直ぐに結婚はしないという約束で、お付き合いをスタートさせた。

もちろん、会社には内緒。
理学療法士の彼から連絡がきたのは、
ちょうどその頃である。
ちゃんとお別れもせず連絡が取れなくなった
ので、最後に会いたかった。
彼は手紙を書いてきてくれていた。
連絡が取れなかった理由、償いたい、
忘れられない、好きです。と
正直に書いてくれていた。

もうすでに彼がいたので、ちゃんとお別れの挨拶をした。
人生タイミングにつきる。
でも、彼のことをもっと知りたかった。

その手紙はずっと捨てずにいた。
何十年経過して、部屋の断捨離している時、
捨てたと思っていた手紙。
最近、偶然に手紙を見つけた。
手紙を読み返し、心臓が握られる様な感覚。
涙が溢れた。
その理由は、辛く苦しい日々を過ごして、
自分の生きてきた人生を考えていた
時期だったから。

私のことを好きと言ってくれてありがとう。
その手紙は私の宝物になった。




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