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週末レポート;パン屋さん

さぁ、パン屋でランチをしよう。
我が街には、誇るべきパン屋が多い。
小麦や何やらと材料費が高くなり、
必然的にパン自体の価格も高くなるのは痛いこと。
それでも、パン屋に毎週足を運んでいる。
だって、好きなんだから。
仕方ないでしょ?

最近は、200円〜300円台で買える、手頃なパン屋に通っている。
こじんまりとした店だが、イートインスペースも少なからずある。
そのこじんまり感が気に入っている。
オレンジ色の照明に、優しいパンの匂い。
ちょうど、入店した14時は焼きたてパンが次々と厨房から出てきた。
塩パンとクロワッサンダマンドにホットティを乗せたトレーを持って、
あらかじめ取っていた席へ移動する。

パンと紅茶をいただきながら、店内の様子をうかがう。
周りを見れば、1人の女性客が多い。
財布のみを持って、ネームプレートを下げた制服姿のOL。
ダウンコートを着て、デパートの紙袋を手にしているマダム。
テイクアウトのパンを手押し車に引っ掛けている、きれいな白髪姿のおばあさん。
帰ったら、お孫さんへお土産として渡すのだろうか。
それぞれパンを選び、エナジーチャージをしている。
テーブルとテーブルの距離は近いが、あまり気にならず、なぜか居心地がいい。
なぜだろう。

店内では、店員さんがせっせ、せっせと働いている。
イートインスペースにあまり立ち入らず、パンを運んだり、
オーブンに入れたり、袋に詰めたりしている。
せっせ、せっせと。
まるで、昔読んだ、童話絵本の中の小人みたいだ。
すごい楽しそうな顔でもないし、すごく疲れている顔でもない。
でも、見ていると「あぁ、頑張ってるなぁ。私も頑張るか」と莫大な不安を抱えていても、呑気に構えられる、そんなパワーが出てくる働きぶり。

せっせ、せっせと働いてるパン屋さん

ふわふわ、サクサク、ジュワッと滲み出るバターの味。
温かい紅茶。オーブンから流れ出るパンの匂い。
オレンジの照明。
それぞれの女性客たち。
パンに集中する店員さん。
必要以上に干渉せず、自分だけの時間を過ごせる場所。

その環境が、私を落ち着かせているのかもしれない。
そう物思いに耽りながら、食べ終えたトレーを下げ、店を出たのであった。

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