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動詞エッセイ;包む

プレゼントを開けるのが好きだ。

包装紙は破らないように丁寧に剥がす。
仮止めのセロハンテープも吐息で温めてはぎとる。
そして、4つ折りにしてファイリング。
次第に溜まった包装紙の山は、紙回収車に運んでもらうことに。
紙が好きだから仕方のないこと。
だから、また集めて、溜めて手放す、その繰り返し。
繰り返し、繰り返し、今は3、4周目。

そんな週半ばで紙から布へと移ることになる。
風呂敷だった。

はじまりは、スカーフ。
海外のスナップで首や手、腰に華やかな布を巻きつけていた。
身体だけでなく、ワインやオレンジも包んでいた。

マネてみようと検索すると、風呂敷が出てきた。
なるほど、布で包む文化はここ、日本にもあったのだ。
あっぱれ、日本!
ヨーロッパに憧れていたが、我が国、日本も誇り高く感じる瞬間だった。

角ばった本や滑りやすいビール瓶、重たく丸いスイカ。
それら全てを、1枚の布は優しく包み込むことができる。

用途によって使い分ける姿はまさにマジシャンのよう。
少しずつマスターしながらカバンの中に忍び込ませるようになった。

今度、友達にプレゼントを渡すときは、風呂敷やハンカチで包もう。
キメた顔は1枚布で覆いながら。


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