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内緒のお手紙

内緒のお手紙を書きます。

実はあなたの文章がとても魅力的で、私はあなたの文章のファンです。私好みの文章なんでしょうね。

私はシャイなので、そのあなたが誰かは書かないですが、あなたのフォロワーとして比較的早いページに名前があります。

はじめてあなたの文章を読んだのがいつか分かりません。もしかして途中でお名前を変えていませんか? はじめからそのお名前だったのかな。

たぶん、あの文章を書いていた方じゃないかと思うんだけど確かめる術はありません。私はその文章にコメントをしたはずだけど、その方のページにはその文章は存在しないんですよね。違う人だったのかな。

まぁどちらでもいいのですが、あなたの文章はとても私の心に響くので、いつも楽しみにしています。毎日更新ではないので週に一度ほど私のタイムラインに流れてきます。それを見つけると、ちょっと心が弾んで今日は何を書いてるのかなってドキドキして読んでいました。

たまに私にはよくわからない話もありました。それでも私は読みました。わからないながらもすごいなと感じながら読むのです。

あなたの文章につく「スキ」の数が徐々に増えていくことも眺めていました。おすすめにも何度かとりあげられ、見るたびにスキも増えていきました。私は100近いスキのなかの一人になりました。

私はあなたの文章のスキが数個のときからあなたの文章を知っています。あなたが見る映像が私の心にそのまま入ってくるような文章でした。何気ない日常を書いているだけなのに、その文章のなかから滲み出る熱を感じました。あなたの気配が私を包みました。

私は「あなたをこんなに早くに発見したんだよ」、そんな優越感にも似た気持ちを持ちながらフォロワーもスキも急速に増えていくあなたの投稿を眺めていました。

でも最近、あなたの文章を見かけません。少し気になってはいました。書いてないのかなって気にしていました。

だからとうとうお名前検索をしてみたのですが、あなたが見つけられませんでした。あまり確かめたくなかったのですが私は自分のフォロー一覧も確認することにしました。

あなたはいませんでした。

あなたは消えていなくなりました。

noteであなたが素敵な文章を書いていたのは半年ほどだったかもしれません。途中でコメント欄も閉じてしまわれたあなたと私は互いに一読者としてだけ繋がっていたのですが、その細い糸は切れてしまいました。

あなたはツイッターを公開していましたが私はフォローすることができなかったし、そのアカウント名も記憶しておらず、完全に世界は離れてしまいました。

でももしかしたら、お名前を変えてnoteでまた書いていませんか?

もしそうならあなたはまた再浮上してくるはずです。それだけ力のある文章だからです。

そのとき私はまたあなたを見つけられたらいいなと思っています。

お父様とお母様はお元気でしょうか。見知らぬあなたの今とあなたのご両親のご健康をお祈りしています。2020年があなたにとって素敵な一年になりますように。

もう届かないし、もともと届けるつもりはなかったこの気持ちを内緒のお手紙にして送ります。

この世界のどこかで元気で暮らしていてください。心に残る文章をありがとうございました。


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お気持ち嬉しいです。ありがとうございます✨