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君とまたいつか。

ちょっと照れくさそうに微笑む君の笑顔は変わらないね。

お酒を飲んで少し体を傾けた君を愛おしく思う。

熱を帯びた目で安心した表情を僕に向けるのはあの頃のままだ。

立ち上がって一人でトイレに向かう君の後ろ姿を目で追う。

ねぇ、このあと僕を誘ってよ。

君の細くてやわらかな体を抱き寄せたくなる気持ちをおさえる。

あのとき君を泣かせたのは僕だった。

僕の若さが君を傷つけた。

君を手放したことを今でも後悔してる。

君と別れてから出会いはいくつもあったけど、君ほど僕を愛してくれた人はいなかった。

やり直せたらって、少し寂しそうな君を見て感じるよ。

だけど君はもう他の人のもの。

何度夢見ても、君と僕のこの距離は縮まらない。

席に戻ってきたらまた君を見つめるよ。

ただ見つめて、ただ恋い慕う。

それくらいなら許されるだろ?

別れ際に寂しそうな顔をする君はまだそのまま?

僕たちはもう恋人同士じゃないけれど。


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