ラクスル上場 〜「Ⅰの部」をチェック〜

こんばんは。先週4/27に、ラクスル㈱の新規上場が発表されました(以下単に「ラクスル」と呼びます)、関係者の皆様おめでとうございます。同じベンチャー界隈にいる身として負けずに頑張りたいなと思う所存です。さて、ラクスルはこれまで多くの資金調達をされてきた会社で個人的に興味があったので、公開された「Ⅰの部」をチェックしてみたいと思います。考察するというよりも、まずは読んで目についた箇所についてメモしておこう、という趣旨です。

なお内容については個人の見解によるものですので、不備や誤りなどあれば暖かくご指摘くだされば幸いです。

Ⅰの部は以下のサイトからGetしています(言わずもがなですが)。

業績の推移は?

色々なサイトで出回っているような情報なので今更感ですが、一応年度別の売上高と当期純損失の推移も載せておきます(笑)。ラクスルは売上高の伸び率が凄いです。この売上高の伸び(正確には変動費を除いた限界利益の伸び)が続けば、純損失もいずれ解消されそうな気配です。

<18/5/1追記>
四半期別に見ると、売上総利益率は改善されているようです。

セグメント別情報、損益計算書の明細から拾ってきた情報がこちらです。

<追記ここまで>

セグメント別損益

こちらの表は2017年7月期のセグメント別損益情報です。オフィス・本社管理費などの間接費の配賦基準にもよりますが、セグメント別損益で見ると印刷事業セグメントの利益は出ているようです。

元々、限界利益または貢献利益>固定費となるまで売上を伸ばし続けて投資回収する事業モデルだと思いますので、損益分岐点さえ越えてしまえば、無理に広告費を圧縮せずとも、いずれは全社も黒字になりそうです。

時価総額の推移及びストック・オプション関係

下のグラフは分かり辛いので補足すると、以下①を左軸、②を右軸でSeries(資金調達の各回)ごとに推移を記載したものになります。
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①各Seriesにおける時価総額&資金調達の推移
②各Series前後における株価&ストック・オプション(以下「SO」と略します)の行使価格の推移
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なお、以下のグラフについては1点注意があります。2018年2月1日に株式分割で1株→100株に変更されており過去との比較が分かり辛いため、擬似的に株式分割前の株数を利用してグラフを作成していますので、ご注意ください。

ストック・オプションの行使価格は14年10月から横ばい

Ⅰの部と、会社のプレスリリース情報を踏まえてSeries A〜D の条件を見てみると、株価はそれぞれ7,700円→31,270円→58,000円→82,000円→1,400円(株式分割前であれば140,000円相当)と株価が上昇しています。

一方、SO行使価格については、2014年10月以降直近まで31,270円で推移しており、2014年の新株発行時の価格をそのまま援用しています。赤字決算の強みを活かして上手にSOを発行していると考えられます(採用活動する上でも、組織作りをする上でもSOを有効活用している)。

株価はこれから決まっていくとはいえ、ネット上で聞こえてくる噂では上場時の公開価格(株価)は1,400円、時価総額にして385億円とも言われています。擬似的に株式分割前の株数で比較してみると株価は140,000円(1,400円の100倍)となります。

なお、ラクスルは2012年〜2017年にかけて、計20回ものSOの株主総会決議を行っており、経営からSOに対する意思を感じます。

ストック・オプションの発行比率は7.33%

Ⅰの部によれば、発行済株式総数に対するストック・オプションの発行比率は7.33%となっており、そのうち投資家を除く役員・個人に対しては7.28%相当分が発行されています。

上場時:売出し37%、公募9%で35億円調達?

既存株主の株式放出は約37%となっています。また公募増資は9%相当分で、株価1,400円と想定した場合、上場により株式市場から調達する額は約35億円となります。

平均勤続年数:1.7年

7月が決算期のラクスルですが、2017年7月末時点の従業員数が118人で、2018年3月末時点では147人まで増加しています。約5年で10倍以上に人数が増えており、平均勤続年数が1.7年となっていても致し方なさそうです。

以下は決算期毎の従業員推移になります。


ここからは、Ⅰの部からの引用になります。
気になった箇所があれば、今後コメントを追記するかもしれません。

役員報酬

監査報酬(監査法人は新日本監査法人)


ラクスルの「Ⅰの部」についてチェックしてみました。深い分析まで出来ていませんが、資金調達の詳細やSOのやり取りなど興味深い情報が多かったです。実際の公開価格(時価総額)の決定内容、上場日の開示資料「成長性に関する説明資料」なども合わせて今後チェックしてみたいと思います。

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Shun Harada

ネットで完結するクリーニング『Lenet(リネット)』を運営する株式会社ホワイトプラスの執行役員CFO。インプットの整理も兼ねて、不定期に情報をアウトプットします。恐らく人事系またはIPO関連・ファイナンスの話題が多くなると思います。宜しくお願い致します。

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