感想【属性は何を選択すればお嫁さんにしてくれますか?】


誰かの作品の感想を書こうと思いながら本を読むことなんて、昔の読書感想文以来なので、改めて意識をしながら読むと自分が何をもって物語の好き嫌いを判断しているかを省みる良い経験をさせてもらっている。
 物語の「評価」ではなくて、「好き嫌い」であるところを地味であるが強調したい。物語に「評価」をしてしまうと、それはそのような作品であると、他の人に変な誤解を与えてしまうと思っている。小説の帯に書いてある著名人の評価に引っ張られて本を買う、というような。それが、「好き嫌い」という所謂「好み」であれば、ただ自分はそう思っただけ、他の人だったらいくらでも刺さる可能性はあるということが考えられるからである。他人の感性にまで口は出したくない。

 作品の感想を書こうという目線(評価)で本を読むと
・何を伝えたいのか?
・なぜこのテーマなのか?
・情景描写は適切か?
・読みやすさのテンポはどうか?
・矛盾は無いか?
・不自然、違和感は無いか?

 まだまだあるんだけれど、こういった事を自分は意識して読んでいるんだなと、自分で再認識をする。
 ただ、実際に自分が書く側になると、こういった事を意識しているかと言われるとそんなことは全くなくて、かろうじて意識しているのは何を伝えたいのか?ということくらいで、後はその場の勢いで思いつくままに人物が動いていく。要は、立場によって全く考えなんてあてにならないなぁ、ということである。物語を書く人間なん結局は自分が書きたいから書くのだろう。


 さて、今回読ませていただいた作品名
「属性は何を選択すればお嫁さんにしてくれますか?」
  
作者が言っているようにタイトルからひいたのは間違いない(笑)
作者の思うつぼかもしれない。
 自分は「属性とか「お嫁さん」とか「ギルド」「転生」というような、そういったワードがめちゃめちゃ苦手で、勢いだけで笑わせに来るようなノリを思ってしまう。笑いに勢いは大事だと思うが読書には必要ないと個人的に思う。つまり、出オチ感がやばそうなタイトルだなと思った。こういった企画を通じてでないとまず読まない作品だと思う。
 
 ただ、文化祭の話まで読んだけれど、正直に「上手い」と思った。上手い、というのは語弊があるかもしれない、「ラノベっぽい」と思った。
 極度に主人公寄りの目線、自己紹介からはじまり、普通の主人公といいながら変な幼馴染がいて、クラスからは良い意味でも悪い意味でも浮いてしまって、登場人物の会話の間に無駄な情景描写は入らず、時々挟まれる知的なそれっぽい言い回しと寒いギャグ。
 その辺の書店に普通に売ってそうだと思いました。ほんと。

 物語の内容とか設定(幼馴染の性転換とか主人公の体を改造だとか家がヤクザだとか)はそんなに興味は惹かれないけれど(これは完全に好みの問題です。笑)それにしても、よくできている作品だと思ってしまいました。

 最後の章までは目を通せていないのだけれど、このテンポで全部言ってたら結構すごいと思いました。良い作品だと思いました。 


⇒ 属性は何を選択すればお嫁さんにしてくれますか?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?