双葉

かわいく揺れていたい

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    • 20本

    双葉とマルチェの交換日記です

最近の記事

いつか倒れるかもしれないけど、今日もお皿を洗う。

サカナクションの山口一郎さんがうつ病を患って、回復に至るまでのNHKスペシャルを見た。 病気になった人はなる前には戻れなくて、その病気の経験がない人は、それを共感することが難しい。 寄り添うしかないこと、寄り添ったところで先が見えないこと、苦しみの濃淡はあれど、みんな何か苦しいこと。 仕事柄、うつ病の方に出会うことは多々あったし、そこに飲み込まれそうになったこともある。 うつ状態を誰もが経験するからこそ、「うつ病」を理解することも難しいんだろうなと思う。 それくらい乗り越

    • 友情と愛情と独占欲と嫉妬について、ポテチを食べながら語り合った

      今日、マルチェがあたしの家にやってきた。 一緒に薬味カレーを作って、お菓子とアイスを食べた。 アマゾンプライムで「MIU404」「きのう、何食べた?」を見て、 時々涙ぐんだりした。 そこであたしたちは、いろんなことを語り合った。途中、「男女の友情ってあるのかな」というテーマに移った。ここでは異性愛を前提として話をしているのは、あたしが異性愛者だからだ。あたしは恋人の「女友達」を正直そんなによくは思えない。女友達と会うのなら、あたしに言わないで行ってほしい。どんな人かも知りた

      • 言葉にならないことを、言葉にする。

        私は飲み会が苦手だ。でも人は好きだ。大人数が苦手だ。でも一対一で話すことは好きだ。コミュニケーション能力は高いと言われがちだけど、いつも頭の中で反省会を開いている。 飲み会の成功体験というものがない。あれを話さなきゃ良かった、聞かなきゃ良かった、そんなのばっかりだ。でも、そもそも「飲み会に成功体験なんてない」とお酒を飲む人達に言われた。自分の思うように話せることも、話を聞けることもない、余計なことがない飲み会なんて存在しないらしい。 それなら開催しなくていいじゃん……と思っ

        • あたしは、本を飲み込む

          いつものマルチェとの朝ごはん会を終えて、本屋さんを回りながら、少し自分の意識が遠いところにあるのを感じていた。頭の中に浮かんできた言葉があって、それが文章にならずふわふわ浮かんでいた。もしかしたら少し、マルチェの言葉に対して生返事をしていたかもしれない(ごめんね)。 マルチェとの朝ごはん会はお昼頃にいつも解散する。その後、お互いひとりの時間や予定を入れたりしている。マルチェと話した後に、次は自分や誰かとの対話が待っていることが、あたしにはすごく心地がいい。それくらい、マルチ

        いつか倒れるかもしれないけど、今日もお皿を洗う。

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          結局、「しあわせ」なんてこの世にない

          「幸せになりたい」 みんな、そういうことを漠然と言うようになった。 28歳、女性、独身。 ここ1年、女友達との集まりには「幸せって何?」というテーマが常にある気がしている。 恋人がいる人、いない人、結婚したい人、結婚を考えてない人、既に結婚した人、子供が生まれる人、、みんな、結局どこかで「幸せになれなくて」焦っている。 この焦りについて、少し冷静に分析すれば、妊娠出産を考えたら、女性の体には多少のタイムリミットがあるからだ。もちろん、若いから全て上手くいくわけでもないことを

          結局、「しあわせ」なんてこの世にない

          あたしは、あたしのこういうところが嫌いです。

          昔から自分のことを、ネガティブだと称してきた。自己肯定感が低いとも何度も言ってきた。 でもこの感情ってあまりに底なしで、自分も周りの人も傷つけていることに大人になるにつれ気付いた。 2年くらい前に、自己改革として、自分を否定する言葉を声に出すことは辞めようと決めた。頭の中に思い浮かんでしまうところまでは許すことにして、それを100日続けた。その記録として毎日ブログを書いた。自分の思考回路の癖に気付いて、自己否定しすぎることは無くなってきた。自分を好きになりたくて、好きな部分

          あたしは、あたしのこういうところが嫌いです。

          備忘録

          最近、頭の中を言葉が動いて騒がしかった。 言葉のダムが放流しかけるような瞬間がたくさんあった。 仕事のこと、人生のこと、なんだかすごく「考えて」しまった。 実はここ数か月、あまり仕事が忙しくない。 今までが異常に忙しかったから、通常の業務量に戻っただけなのだけど、 それだけではなくて、精神が侵食されるような感覚が全然ない。 かなり第一線の福祉の現場にいた時、 利用者さんの人生に触れる、本当に直に触れるような、そんな毎日だった。 自分の尊厳も、利用者さんの尊厳も、冒されかけて

          ユーモアにいこうぜ 

          仕事中、ふふっと声が出てしまった。 20部ほどの資料を作るために、コピー機の前に立っていた時。目の前にある窓から、全力疾走をする男の人を見た。 ちなみに、窓は80センチの正方形くらいの大きさで、部屋は2階。全力疾走を見たのはほんの数秒だったと思う。 数週間前のことだけれど、今も鮮明にその姿を覚えている。彼はスーツ姿で、ジャケットを手に持ち、リュックを背負っていた。 人の本気の全力疾走を見たのはいつぶりだろうと思った。理由は分からない、知る由もない。遅刻なのか、誰かに会いに行っ

          ユーモアにいこうぜ 

          平和の上に成り立つあたしのひとり遊び

          先日、1人で長野県に行ってきました。初めての1人旅でした。 きっかけは彼の旅行。彼が友人たちと4泊程の旅行に行くと言うので、少し拗ねてしまいました。(しかもその報告が遅くて、それは別にいいのですが、彼が言いにくそうなのも含めてプチ喧嘩にもなりました。笑) まあそれならあたしもどこか行くか、とずっともう一度行きたいと思っていた長野県安曇野市にあるいわさきちひろ美術館に行くことを決めました。仕事と試験がひと段落したタイミングだったので、自分へのご褒美として、うきうきしながら計画

          平和の上に成り立つあたしのひとり遊び

          映画「月」を見て―優生思想とたたかうということ (ネタバレなし)

          映画「月」を見た。昨日この映画を知り、今日見に行った。やまゆり園の障害者殺傷事件が題材になっているとのことで、見ないといけないと思った。 今、映画の感想をつづろうとしているけれど、まだ何も整理できない。まだ何も正しく言葉には変わっていない感情がたくさんある。 それでも今、見た直後の今だから書かないといけない。書きたい。 やまゆり園の事件が起きた時、私は大学生だった。私は福祉学を専攻していて、生活に困る方々に寄り添う仕事をしたいと決めていた。そんな時のあの事件は、体の芯から

          映画「月」を見て―優生思想とたたかうということ (ネタバレなし)

          「スキ」の通知が届くたびに思うこと

          先日、「恋人は他人だ。でもただの他人では無い」という記事を書いた。 #恋人 とつけた故か、たくさんのスキをもらった。驚いたし、素直に嬉しかった。読んでくれた方への感謝があふれてるし、勿論ほかの記事にもスキを付けてくれる方はいて、なんてありがたいことかと思った。 嬉しい気持ちが大前提で、重ねて思うことがあるので何とか言葉にしてみたい。 あたしは子供の頃から文章を書くことが好きで、作文用紙を見るといつもわくわくしていた。その延長で小学6年生の頃にはブログも始めた。 ただ高校生に

          「スキ」の通知が届くたびに思うこと

          「女を売るなんて絶対嫌」は本音ではなかった

          「女はいいよな、いざとなれば体を売ればいいから」 小学生の時、クラスメイトの男子にこう言われた。この時、あたしはこの言葉の意味をよくわかってなかった。彼がどんな気持ちだったのか、何故それをあたしに言ったのか、そもそも前後に何を話していたのか、全く分からない。 ただ、あたしはその時「へぇ、そうなんだ」と1つ知識を得たような気持ちになったのは覚えている。 今のあたしが、誰かにこんなことを言われたら「は?」と返すと思う。 相手によっては、うるせえよ何様だよ、人の体を軽視するんじ

          「女を売るなんて絶対嫌」は本音ではなかった

          恋人は他人だ。でも「ただの他人」ではない。

          あたしには恋人がいる。 もう交際期間は長く、4年以上になる。 彼はとても真面目で、誠実な人だ。 これ、よく聞く形容だと思うけど、 まじのまじでそうなんだからすごい。 書くのもばかみたいだけど、 恋人であるあたしを馬鹿にしたり、 傷つけることはしないし、話し合いもする。 とても普通なのだ。 (こんなことを言いたくなるのは、 最近友達がアプリで出会っている男性たちが 話を聞く限りあまりに不誠実で、 希少価値を感じ始めたからである。) あたしは彼の繕わない優しさが好きだ。 彼

          恋人は他人だ。でも「ただの他人」ではない。

          ただただ、月を追いかけた

          今日は8月30日。 家族LINEに通知が入った。 「今日はスーパームーンだって。大きいよ」 兄からのスーパームーンのお知らせだった。 あたしは仕事帰りの電車の中で、大きな月を見ることを楽しみにしていた。しかし、電車を降りて買い物をしている間にうっかり忘れてしまい、2リットルのペットボトルを2本をぶらさげ歩いている途中に「ああ」と声をあげて、月を探した。 今日の月はとても低いところにあった。満月は上がるまでに時間がかかるらしい。歩いても歩いても、月が見つからない。 車に気を付

          ただただ、月を追いかけた

          「繋がる」ってなんだろう?―初めて配信アプリを開いたあたし

          深夜1時、思い立ってとある配信アプリをダウンロードした。名前は適当に「ま」と入力した。それから30分もしないうちに、あたしはアプリをアンインストールした。 きっかけはあった。友達が最近退職して、時間が出来たからとアルバイトの合間に配信アプリを始めたのだ。友達とはもう10年以上の仲で、幼なじみのような関係。「今しか出来ないこと、せっかくだからやってみようと思って!」と話し、若い女性であることを活かしたバイトを始め、その流れのまま配信を始めた。それを聞いた時は面食らった。彼女は

          「繋がる」ってなんだろう?―初めて配信アプリを開いたあたし

          「お前は役立ずだ」と叫ぶ声の主は、あたし

          仕事中、いつも思う。あたしは役立ずだなぁと。 こうしたらよかった、こうしたら分かりやすかった、こうしたらあの人は気持ちよく仕事できた、こうしたらあの人の負担を減らせた、こうしたら、ああしたら……。 良くも悪くも人の顔色が目に入るあたしは、人の顔色を優先させすぎるところがある。自分さえ良ければいいとは思えない。 外側から作られていた「あたし」に気付いた 小学生の時、リーダーに他薦されることが多かった。自分の意見をハッキリ持っていたからか、見た目がわりと目力が強い顔をしている

          「お前は役立ずだ」と叫ぶ声の主は、あたし