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紅の豚

「飛べない豚はただの豚だ」
久々にTSUTAYAで借りたDVD。途中画像が荒れて40位音声が出ず、所々止まって、まさかの名言部分が観れないという、、、。

でも良かった。
浸れる作品ですよね。。

「なんで豚なの?」という答えは語られていないので、人それぞれの答えがあると思いますが、私は「後悔」がキーワードかなと思います。

アメリカ人パイロットでライバルのカーチスは未来を見て生きています。
常に答えを出して、目標を持って前に向かって生きている。男気もある。
一般的にカッコ良いのは彼のような男です。
いわゆる陽キャラ?

対して主人公マルコは戦争の傷を引きずって生きている賞金稼ぎ。
人を撃つこともできない。
でも飛行機乗り以外の生き方もできない。
死んだ親友の奥さんを見守りながら、目標もなくただ生きている豚。

「それがカッコ悪いですか?」
っていうのがテーマなのかなと。


青春時代を共に過ごしたジーナ。
死んだ戦友の奥さん。
好意を抱いていても踏み込めないのは
カッコ悪いでしょうか?


作中モテモテでしたね。
かっこいいですよね。

後悔を引きずり、
亡くなった友を引きずり、
愛する人を近寄らせず、
自分の幸せを諦めてしまったマルコ。

「飛べない豚はただの豚だ」
彼が飛行機乗りを辞めるには、人として生きる希望が必要なんだと思います。でも、どんな希望を持てば良いのでしょうか?


自分にとって大切な女性であるジーナ。
彼女と結婚した、これまた大切な親友。
戦場であれば、自分の命を犠牲にしてでも守りたかったんじゃないでしょうか?
「彼を無事に帰らせなきゃジーナに合わせる顔がない!」と思ったでしょう。
しかし、その想いも虚しく、部隊は全滅。
自分だけが逃げ延びて生き残ってしまった。

もう新たな友を持つこともない。
新たな出会いもいらない。
そんな生き方になってしまった彼が、
その後悔を捨てて、前を向けるだけの希望。

「ジーナはお前を待っているんだぞ!」
その言葉への反応が、唯一の鍵ですね。


フィオもいい娘でした。
作品はウジウジしている二人の事を美化して描いていますが、いとも簡単に答えを出すのは、真っ直ぐ前を向いているフィオでした。
そしてマルコを動かすのは陽キャラ・カーチス。

一度閉じ籠もってしまうと、人って自分だけじゃ抜け出せないんですよね。
この辺もよく出来てます。

結局、自分だけじゃ立ち直れない、情けない男なんです。そんな所も、作品を観ている冴えない中年男性に響いちゃう(笑)

結末は伏せられたまま作品は終了します。
どうなったんですかね?


エンディングの曲も良いですよねぇ。

ノスタルジーっていうんですかね?
望郷、懐古に全振りした作品なので、
一定の年齢を過ぎないと、良さを感じきれない作品かなとは思います。


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