見出し画像

8月6日



8月6日に詩を書くのは
一年忘れて生きた罪悪感からか
燃やされた千羽鶴
復元できない灰と骨
もう2度と立ち上がれない
痛手を負っても
また明日を信じる人間の不思議さよ
それでも残された者たちは命を研磨し
命をリレーした
わかってるけど 悪りい
生きてるだけで奇跡だってそんなんで
満足できるように慎ましく人間できていない 喉元過ぎれば熱さを忘れる
腹の周りについたぜい肉をつまむ
口の周りをべとべとにして頬張る
コレステロールのかたまり
血中濃度の高い被害者意識
結局 自分だけがかわいいの
線路に落下した知らない人を
助けるために死んだ人
損得勘定関係なく 反射的に
命をかけるそれもできるのが人間なのに
ケツ掻いてあくびして
ある詩人の詩を読んで今日が何の日か思い出す それがありのままのわたしだしってかろうじて居直ることしかできない
きっと明日も覚悟もなく行き当たりばったり生きるだろう
8月6日に詩を書くのは
自己満足と射精したちり紙の上
今日もシャバは最高気温を更新し
夏の暑さに負けたまんま
干からびた他愛 少しでもしめらしたくて
唾をたらす
あなたたちが命懸けで守ったこの国が
どうしても好きになられない
手のひらの生命線を何とか伸ばそうと
彫刻刀で試みる浅ましさ
その血も垂らしてみる
干からびたわたしの良心に
すがる 
どうか作動してくれ頼むから
生きてるだけで汚れる魂
反射的に
ちょうど生命線の真上で潰す
よく肥えた1匹の蚊


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?