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夜の十分作文✏️御戯れ

私が生まれる前から
両親と一緒に暮らしていた猫がいた。

黒猫で
固太りの
なにがなんでも
ごはんを食べて
23歳まで生きた猫。

ずーっと一緒に寝ていた。
布団に潜っていると
入れてくれとやってくる。
首元の布団を持ち上げると
のそのそと入ってくる。

若い頃はそのまま
私の腰のあたりまで潜って行って
寝ていたが、
私の寝相が悪くなって行ったのか
猫が歳をとって呼吸が大変になっていったのか
そのうちに腕枕で寝ていて、
それも寝苦しくなったのか
最後は同じ枕で寝ていた。

🐈‍⬛

幼少の頃
一度夢でうなされた事があった。
すごく怖くて
うーうー
唸っていたと思う。

そして、ハッと目が覚めたとき
少しの明かりに、
浮かび上がったのが
その猫の
鼻とアゴだった。

どうやら横に寝ていたはずの猫が
その日、どうしてか
私の胸の上に四つ足揃えて
ちょこん、(どっしり?)
と座っていたために
息苦しくて
悪夢に繋がったようだ。

声にならない悲鳴をあげた
最初で、
今のところ最後の体験。
悪夢から覚めても
普段そんな角度の猫を
闇の中で見ないものだから
余計にびびった。

猫がけしかけた
いたずらだったのだろうか。
しっぽをふんずけてしまったとか、
しつこく撫で回したとかの
腹いせだったのだろうか。

猫と暮らすと
悪夢も見せてくれる。

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