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【メールで意思疎通】建築トラブル事例から感じる一長一短

建築トラブルの相談を受けていると、その状況により違いますが施主と業者のやりとり(コミュニケーション)方法について考えさせられることがあります。メールによるやりとりで意思疎通がうまくはかれるか?…一長一短を考えます。


メールは便利…

要件を伝えるのにメールは確かに便利です。電話や対面での会話表現は、要件をまとめて伝えたりタイミングが悪かったりで難しい場合も多いですね。

その点、メールは見直したり修正して相手に送信でき、かつ、相手のタイミングで確認できるため、要件がお互いにストレス少なく伝わりやすいのは確かですね。

そしてメールは双方の記録にもなります。
建築トラブルそでも、施主と業者のやりとりやいきさつを、事実のみ確認することが可能で、どちらに偏らず経緯を理解しやすいです。


メールで伝わりにくいこと…

一方で、便利なメールだからこそ伝わりにくいこともあると感じます。それは…要件や事実でなく、気持ちや感情を表す際にです。

気持ちや感情は、対面が向くはずです。顔や声を含んだ会話のほうがメールより、互いの意向や考えを理解しやすくなると感じています。

気持ちや感情を文字に表現すれば幾通りも表現できる上、受け取る相手の心情や考え方次第でとらえ方が変わりますよね…。文字でのコミュニケーションは、互いの受け取り方で勘違いや誤解をまねく可能性があり得ます。

普段のメールやりとりでも、受信直後に見た時に「こうだ」と感じ、翌日見返した時に「こうもとれる」といった経験はないでしょうか。


建築トラブルではどんなケースになるか…

施主と業者のメールやりとりでは…
施主が業者に抱く 猜疑心 が高まってしまうケース
業者が施主に抱く 誤解 が高まってしまうケース
を経験しました。そして…
お互い 先入観や行き違い、常識論 でのやりとりが続き、こじれたくない方向に展開してしまう…という事例が見られました。


建築トラブルでは「話し合い」が大切

結局…「話し合う機会」が作れるかわからない…

施主が無自覚に、猜疑心や不信感を抱え過ぎて業者の返信内容を理解してしまい、問題を解決する為の話し合いを要望しても業者が話し合いに応じなくなる傾向を感じます。中には、業者も業者ですが…

具体的にどうやってやりとりされたかお聞きすると、業者のメールを「猜疑心や常識論が強い状態」でやりとりされていました。

施主「この意味はこうだろうから…」
私「そういう意味とは限りませんよ…」

私「こうゆう意図とも取れますし…」
私「まず猜疑心と常識論を横に置きましょう!」

施主「どう書いて送信すればよいだろう…」
私「シンプルに…この件で会って話し合いましょう…とだけ、メールに書いてみませんか?」

私「対面で話し合う約束だけとるつもりで…言いたいことや考えはその対面の場ですればいいのですから…私「会わないと…何も始まりませんよ」
施主「そうしてみようか…」


難しい…だから、話し合う

私に相談が出向く時は、施主と業者がある程度やりとりした結果がある為、もめている段階で改めて話し合う場をつくるのは、サポートしてもそう簡単ではありません。お互いに気持ちを持った人だから…

だからこそ…もめる前に、或いは、できるだけもめないように、工夫してみませんか。


メールと話し合いを使い分けませんか…

事実や連絡やりとりは…メールで。

考えや価値観や意向などは…実際にお互い会ってから話し合いの場で。

先入観や常識や猜疑心はなくしましょう!とは言いません。ただ…先入観や常識は個々が抱える個々のものであり、相手も同じとは限りません。
先入観や常識や猜疑心は、話し合いにあまり役立たないと私は経験から客観的に感じてしまいます。

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