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神奈川の美しい梅、十郎梅来る&追熟と梅酢梅干しの仕込み(十郎梅その1)

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事です。(もともとの更新日付:2023年6月11日)

初めて梅干しを漬けるにあたり、収穫から何日も経ったスーパーの梅ではなく、適切なタイミングで収穫された良い状態の梅を、直売所等で生産者から買いたいと思っていた。

最も入手しやすいのはやはりおなじみ和歌山県産南高梅。関東のスーパーで普通に買えるくらいなのでネット上の出品数も多く、質も大きさも価格も様々。
でも南高梅の梅干しは美味しいのが家にあり、食べ慣れて特徴もわかっているのでそれ以外の品種、できれば自分の住む神奈川で採れる品種が良いと思って調べた。
どうやら小田原の十郎梅というのが良さそうだ。特徴は比較的南高梅に似て、大粒で皮が薄く、実質は柔らかいらしい。それは梅干しにしたら美味しそう!

小田原の直売所か梅林へ行こうと思ったが、販売期間に間に合わない可能性があるため、メルカリで見つけた小田原の農家の方から送っていただくことにした。
こういう時メルカリはたいへん便利。ここ数年、関東では入手が難しい主に遠方の作物(沖縄のへちまや九州・四国のへべす等)は専らメルカリを使って入手している。大助かりだ。

そんな訳で届いた十郎梅。
2kg入りを購入したところ、箱に入るだけ2.6kg送ってくださった。ありがたい。

箱を開けた初見の印象は「でかい!」
粒が大きく、表面が滑らかですべすべつやつやしている。斑点や傷も全くない。さすが農家直送、品質がとても良い。美人ちゃん・・・

まんまるつやつや超美人。なんとも言えない上品な香りも素敵

梅干しを漬けるにはまだ少々青いので、新聞紙に広げて追熟。塩分を三種類程度に分けて梅干しを漬けるつもりだったが、思ったよりも量があるので梅干し以外にシロップとカリカリ梅もつくってみることにした。これらは追熟の必要はないのでそのまま仕込む。

シロップは氷砂糖やグラニュー糖を使うのがポピュラーなようだが、家にはないので三温糖使用。(※後記:やはり氷砂糖が良いようです。浸透圧の関係で、粒の大きい氷砂糖の方が果汁がゆっくり滲出し、まろやかな味になるみたい)

◆2023/6/9 梅シロップ:梅300g(追熟なし)、三温糖200g

◆2023/6/9 カリカリ梅:梅500g(追熟なし)、粗塩36g、煮沸乾燥済卵の殻1個

6月9日に届いた梅を2日間追熟させた6月11日時点の状態。大分黄色くなり、香りも果物っぽく濃厚になった。
梅を置いている廊下中に芳醇な香りが漂う。まんまるで可愛い梅たちに、次第に愛着がわいて来た。

熟してもやっぱり美人。ここまで美しい熟し方は他の梅ではなかった

だいぶ柔らかくなったので、下漬け(塩漬け)開始。

十郎梅で梅干しを漬けるなら、皮の薄さや柔らかさを活かして優しく漬けたいと思っていた。即ち塩で揉まず、梅酢を使ってふんわり漬けたいということ。

現在私が最も美味しいと思っている梅干しは「梅ボーイズ」さんの「特別製法のすっぱい無添加梅干し(塩分15%)」。

商品説明を引用すると、「この梅干しは、梅を天日塩で漬けた際の梅のエキス「梅酢」で漬けています。梅酢で漬けると梅本来の旨みと風味がさらに豊かになります。塩は新たに追加せず、塩味は控えめに、梅のすっぱさを生かしました。 塩の角を取るため、梅酢は一年熟成させ、その後干した梅をさらに一年熟成させるため、完成まで二年を要します。梅の旨みとすっぱさをギュッと閉じ込めた至極の一粒です」。

これをイメージして以下三パターンで漬けてみる。
梅酢は「梅ボーイズ【無添加】天日塩と完熟南高梅で作った白梅酢」を贅沢に使用。美味しい梅酢の力を借りて美味しく漬けようという狙いである。

1)十郎梅600g、梅酢100%(梅酢の塩分20%)
⇒洗って水気を拭った梅をファスナー袋に入れ、浸る程度の梅酢を注ぐだけ。極力梅にストレスを与えない漬け方のつもりだが、どうだろう。

贅沢な漬け方です

2)十郎梅519g、梅酢60cc、粗塩27g
⇒梅酢と粗塩を併せた塩分濃度8%見做し。使っている粗塩の食塩相当量が多めなので塩の量は更に9掛け。

3)十郎梅595g、梅酢30cc、粗塩38g(同上)

この時私はまだ知らない、低塩で漬けた梅はカビやすい(しかもこの後気温も上がる)ということを…

2)、3)は塩分濃度が低いので常温は良くないかも知れないが、最初から液体(梅酢)を使ったからかすぐに全体が梅酢に浸ったので、とりあえず冷蔵庫に入れず様子を見る。

同じ追熟でも梅の個体によりかかる日数はさまざま。
今回の十郎梅は至ってスムーズに追熟が進んだ。生き物なので個体差はあり、レシピ通りにやっても同じようには行かない。

今はとにかくいろいろな梅を扱って、梅知識や経験値を高めたいと思っている。

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