作者の出身地で日本一周の旅(近畿編)


初めに

とうとう半分くらいまで来ました。今回は近畿地方です。
これを書いていて発見したのは、中部地方は結構範囲が広いくくり方だということ、言い方によってその地方に含まれたり含まれなかったりする県があることでした。行ったことがない土地だと案外日本のことでも把握できていないんだなと反省しました。

三重県:あやかし修学旅行 鵺のなく夜/はやみねかおる

とても懐かしいですね。この本を読んだ後に青い鳥文庫を片っ端から読み漁る人になりました。シリーズの途中なのですが、なぜかこれから読み始めました。I,my,meという活用を覚えたのもこの本です。(教育に役立つ!)
YAものを読むことも少なくなりましたが、久しぶりに読んでみたいです。

滋賀県:彼女は頭が悪いから/姫野カオルコ

凪良ゆうも滋賀県出身らしいので、どちらを紹介するか迷ったのですが、今回は姫野カオルコを紹介しようと思います。これは本当に読んでいて辛かったです。頭がいい側/悪い側、双方の言いたいことや思考回路がそれなりに筋が通っていて、それが暴走した結果の事件なんだな、と。現実に起きてしまった事件を題材にしているとのことですが、こんなこと起きてしまう社会ってどうなんでしょうか…。深く考えさせられる本です。

京都府:嫌いなら呼ぶなよ/綿矢りさ

綿矢りさもおすすめはいくつかありますが、最近読んだので、こちらを。表題作のタイトルをすごく考えながら読んでしまいました。たしかに、嫌いなら呼ぶなよ、と思いますが、呼んだ側の気持ちも分かる。というかこの状況になったのは自分のせいでは…?と思いつつ、悲惨な状況がポップに描かれているので、眉をひそめようにもひそめられない、複雑な心境になりました。勢いにおされて、目の前の事象を呆然と眺める気持ちになる一冊です。

大阪府:鴨川ホルモー/万城目学

大阪出身の小説家はたくさんいますが、ここは大阪っぽいものを選びました。学生時代に読んで、鴨川に行ったことがないのに情景が浮かぶ(なんならホルモーの情景が浮かぶのがすごい)描写に惹かれました。どの作品も長編は長めで読みごたえがありますが、面白くて一気に最後まで読んでしまいます。そういえば最近の作品は読んでいないな…と気が付いたのでまた読んでみようと思います。

兵庫県:本に読まれて/須賀敦子

本の紹介本なので小説ではないのですが、発見が多くあったので紹介します。なぜ手に取ったかももう思い出せないのですが、外国文学好きの私は翻訳ものばかり載っているこの本で紹介されている書籍を片っ端から消化しているところです。日本人が書いた小説はほとんど紹介されていないのですが、池澤夏樹がお勧めされていて読んでみたら面白かったので、外国文学に抵抗がある人でもまずは読み物として読んでみると面白いかもしれません。

奈良県:恋文の技術/森見登美彦

森見登美彦はどれを紹介しようとしてもアレなので(察してください)、好きではあるしよく読むことを公言もできるのですが、あなたにはこれがおすすめ!と言いづらい作家です。この本も胸を張っておすすめするには人を選びたいのですが、フラットな気持ちで載せてみました。読んでいると手紙を書きたくなる本です。

和歌山県:仮縫/有吉佐和子

著者のことをあまり知らないまま読み始めた記憶があります。タイトルが面白そうだったので読んでみたのですが、オートクチュールで働く女の世界の序列関係がリアルで、想像以上に人間関係の話でした。私には職業に対する野心のようなものが今一つ欠けているので、熱狂し、燃え上がるような野心を持つ人はすごいな…と思ってしまいました。

終わりに

近畿地方も2周できそうなくらい調べればたくさん出てきました。関西弁で書かれる小説が好きなので、もっと紹介したい人もいたのですが、またいつかの機会に。
次回は中国・四国地方です。

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