【作文】おかもっちゃん

今日私は、おかもっちゃんが運転するトラックの後ろを車で走りました。
おかもっちゃんは私の友達ではありません。知り合いでもありません。
なのになぜ、前のトラックの運転手がおかもっちゃんだと知っているというと、トラックの後ろのネームプレートに「おかもっちゃん」と、ゴシック体で書かれていたからです。
私がおかもっちゃんの後ろに着いてすぐの交差点で、おかもっちゃんのトラックは直進、私は左折してしまったため、おかもっちゃんと過ごした時間は5分足らずでした。
私はおかもっちゃんの顔も姿も確認できないまま、おかもっちゃんと別れてしまいました。

私は、おかもっちゃんは男性だと思います。中肉中背で髪は短髪で坊主ではないと思いました。しかし、シルエットすら確認していないので、もしかしたら女性かもしれません。
そして、今日はとても暑かったので、白のTシャツを着ているのではないかとも考えました。でも本当はアロハシャツが好きな人かもしれません。

私は、ネームプレートに夢中になっていて、どこの会社のトラックだったのか確認していなかったことに後で気付きました。とても残念です。
しかし、おかもっちゃんは、新鮮なお魚を配達するドライバーだと思います。白Tでもアロハシャツでも、男性でも女性でも、あの白いトラックと「おかもっちゃん」にお肉は想像が付きませんでした。なにより、おかもっちゃんが配達するお魚はきっと新鮮でおいしいから食べてみたい!と思えるからです。

きっと、おかもっちゃんは会社の人気者です。でなければトラックのネームプレートにあだ名を入れるなんてないと思います。
おかもっちゃんは、「おかもとさん」なのか「おかもちさん」なのか分かりません。しかしおかもっちゃんは100%おかもっちゃんです。

おかもっちゃんとは友達でも知り合いでもありませんが、今日の私にとっておかもっちゃんはマブダチでした。
いつか、おかもっちゃんと街ですれ違っても、軽くあいさつをかわしても、あの日のトラックのおかもっちゃんだと気付くことはないでしょう。それでも、今日、私は、トラックのおかもっちゃんに出会えて、勝手に仲良くなった気持ちになれて、勝手に楽しい時間を一緒に過ごせて、とてもうれしかったです。


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