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【詩】夏の終わり

黄色いTシャツを着た少年が目の前を過ぎていく
自転車に乗ってふんわりと
この夏の風のように

少年はこの夏をどう過ごしただろう
猛暑が包んだ夏だった

あの自転車で
アスファルトを滑り
草を響かせ
誰かのスカーフをなびかせて

あの日、私が見上げたあの雲に
少年は何を話しただろう

雨を呼び
雷に遊び
少年が自転車を止めた時
太陽は容赦なく照っただろう

少年は振り向くことなく過ぎていった
黄色いTシャツの少年と自転車が
私の夏の終わりのように


#夏の思い出

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