南雨 忘

南雨 忘

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月と森のサブマリン         たったひとりの建築冒険物語 ⑥

…。 水道屋のオヤジさんから譲ってもらったバックホー。 動かす前に、 まずはエンジンオイルの交換。 次に燃料タンクに軽油の燃料補給。 そして、 グローをして、 エンジンキーを廻した。 ボボボボー。 あっさりと3気筒ディーゼルエンジンが始動。 なかなかいい。 次に乗り込み、 目の前に伸びている4本のレバーと、 足元のフットレバーなどを動かし、 5トンバックホーを動かしてみる。 だが、右側のゴムキャタピラが切れているため、 全ての動作はできない。 それでも、 アームの上げ下げなど

    • 月と森のサブマリン         たったひとりの建築冒険物語 ⑤

      …。 重さ500キロの丸太。 これを運搬できる怪物を探して数カ月。 ネットの中古市場では、 その値は百を越える。 手も足もでない。 ジタバタ。 どうする?。 アカマツ林での伐採作業は、 キコリに変身した俺が、 毎週末コツコツと切り倒し、 アカマツ林のあちこちに丸太の群れが発生。 この累々(るいるい)と横たわる丸太達をどうするのか?。 それが問題だ。 なんとか運搬手段を考えなければならない。 …。 だが、 電撃の時が近づいていた。 それは車で田舎道を走っていた時の事。 視界に何

      •   月と森のサブマリン            たったひとりの建築冒険物語 ④

        休日、 アカマツ林に車で出かけ、 キコリになって赤松を次々と切り倒した。 枝払いもやり、 6~8m程の長さに切りそろえた。 一本のアカマツを丸太に切りそろえるのに2時間。 汗だくになりながら、 日に4~5本。 ふと気付けばカラスが鳴き、 西に日は傾き、 夕暮れ。 フラフラになりながら、 風に吹かれ、 イスに座って空を見る。 …。 気分は上々。 いい気分だ。 よくやった。 こんな充実した気分はそうそう無い。 茶を飲み、 チョコを食い。 一日を振り返る。 …。 だが、 背後に何か

        •   月と森のサブマリン       たったひとりの建築冒険物語 ③

          建築場所が決まれば、 次は林立する直径30~50㎝、 高さ20mの赤松の伐採。 …。 建築場所に立ち、 見上げる。 …。 なんてでかいいんだ。 赤松は…。 …。 ワニのようなゴツゴツした赤黒い外皮をまとい、 ウネウネと曲がりながら天に伸び上がる。 伸し掛かるような重量感。 その見上げる先の木々の合間を、 白い雲が悠々と行く。 …。 こんな太い木をどうやって切り倒す?。 …。 何年生きてきたのだろう。 …。 人間の都合で切る。 …。 さて、 問題はどうやって切る。 ネット動画を

        月と森のサブマリン         たったひとりの建築冒険物語 ⑥

        • 月と森のサブマリン         たったひとりの建築冒険物語 ⑤

        •   月と森のサブマリン            たったひとりの建築冒険物語 ④

        •   月と森のサブマリン       たったひとりの建築冒険物語 ③

            月と森のサブマリン       たったひとりの建築冒険物語②

          …。 さて、家を造ると決めたが、 なにから始めたらいいのかさっぱり。 いろいろ考えていると、 土地の何処に家を建てればよいのか?。 …。 そうだ、 まずは、 建てる場所を決めよう。 …。 休日になると、 キャンプ用の組み立てイスと、 スケッチブックを持ち、 赤松林の中を歩く。 何処がいい?。 この地は寒冷地だ。 となると、 冬の寒さを考えた位置に家を。 つまり、 冬、 日差しが入る家。 となれば、 イスを持って林の中をうろうろ。 やがて太陽の動きを追う。 朝から晩まで。 太陽

            月と森のサブマリン       たったひとりの建築冒険物語②

            月と森のサブマリン         たったひとりの建築冒険物語 ①

          ■That was Akamatsu forest.■ …。 そう、 それはかなり前の事だ。 よくログハウスの本を見た。 素敵だ。 迫力の丸太の家。 …。 だがそれは憧れ。 遠い希望。 蜃気楼に揺れる夢。 …。 月日は流れた。 …。 本棚に何冊も建築本が並んだ。 それと共に、 脳に刻み込まれる欲望の萌芽。 …。 ログハウス。 だが金は無い。 安くあげる方法はないのか?。 やがて、 北欧の角ログキットに目が向いた。 …。 自分で組み上げれば安くあがる。 だが、 無残な写真を見た

            月と森のサブマリン         たったひとりの建築冒険物語 ①