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➇月の残月と宿酔

サヨナラの響きは
夜の静寂に似ている。

全てを飲み込む黒い黒い闇
波のように寄せては返す、哀しみと記憶の螺旋

「ねぇ、抜け出せるかな」

だれかのその問いにわたしは
「波間にたゆとうのも良いんじゃないですか」

と答えるだろう。

心ゆくまで泣いて、沈んで、墜ちればいい。

もう、誰かの愛情など頼りにするな
あなたを知ってあなたを愛しているのはあなただけ。

それでもいいじゃない。それだけでもいいじゃない。

素敵なあなたに今宵は乾杯
奈落の底で、今夜あなたとわたし

お互いの素敵なところを見つけあって酔っ払い三昧といこうよ。

ほら、蜂月の月があんなにわたしたちを羨んでるんだからさ

もう泣くのはお止しよ。



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