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日本は、再び財政破綻への道を突き進むのか?

前回は、戦後日本の混乱に乗じて、
かなり過酷な政策が行われていた時期が
あったことをお伝えしました。

ご存じの通り、現在の日本の財政状況は
非常に良くありません。
公債等残高は、名目GDP比で
約217%(2022年度)になっています。

一方、1944年(昭和19年)時点の
日本の政府債務残高(対国民所得比)は、
約267%に達していました。
ひょっとすると、私たちはかつて通った道を
再び通らないとは言い切れない状況です。

世界を取り巻く情勢も、
悪化の一途をたどっています。
2022年2月のウクライナ危機以降、
インフレや原材料高などが
世界経済に大きなダメージを与えています。

欧米は、急激なインフレを抑えるために
利上げを行ってきました。
その反動により、先進国の中で唯一、
金融緩和政策を継続している日本が
極端な円安に見舞われている状況です。

日本では、あまりにも長年、低金利政策が続いた結果、
住宅ローンから国債の利払いに至るまで、
多くのことが低金利前提になっています。
もし、このような中で日銀が利上げをしようものなら、
日本が混乱の危機に陥るのは避けられないでしょう。

通常、国にこれだけの債務残高が積み重なれば、
リスクプレミアムが付いて、
国債利回りはもっと上がるはずです。
ところが、米国10年物国債の利率が4.625%、
ドイツが2.737%なのに対して、
日本は依然0.755%です(2023年10月現在)。

利率が上がらない一因は、
日銀が国債を買い占めているためだと考えられます。
利回りが低いということは、
国債価格は高いということになりますが、
その高い市価で買い取っているのが日銀です。

日本がギリシャのように破綻しない理由として、
今まで「日本国債の多くは、日本人が買っているから」
という説明がされてきました。
しかし、戦前の国債を買っていたのも日本人です。

これまで、比較的安定していた
グローバル経済の恩恵を受け、
日本の債務問題も何とか均衡を保ってきました。
けれど、この状態がいつまでも続くという
保証はありません。

今、これをお読みの方々には、
この状況をよく認識していただき、
いつ最悪の事態がやってきてもいいように
準備を怠らないでいただきたいと思います。

【参考文献】
FinTech Journal:2023年2月13日、DIAMOND online:2013年8月19日、『金融政策の死ーー金利で見る世界と日本の経済』(野口悠紀雄、2014年、日経BP社)、他


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