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強くてニューゲーム



大好きでしかたない先輩方が卒業してしまった。


いつのまにか桜は満開で、厚手のダウンは薄いジャケットに変わり、17時は夜ではなくなった。

春が来たら、私の休学期間は終わりを告げる。

振り出しに戻るんだか、前に進んでるんだか、よくわからないけど、とにかくこの一年は、すごく早くて、すごく濃密だった。

たくさんたくさん頭を抱えて、

たくさんたくさん面白いことがあった。

もし、今進路に悩む人、何かに追われて苦しい人、挑戦する勇気がない人がいたら、私の拙い言葉と経験で、少し手助けができればと思う。




経験した10の仕事


休学していた一年で、私は10の仕事を経験した。


派遣から、短期バイト、固定バイトも含めて、さっき数えてみたら10個も違う仕事を経験して、たくさんの学びがあった。

ざっと紹介

  1: イタリアン?のダイニングバー
 2: パンの仕分け
 3: コロナ支援物資のピッキング
 4: サッカースタジアムのスタッフ
 5: 英検の試験官
 6: モデルルームの設営
 7: 旅館の仲居
 8: ガラポン抽選会のおめでとう言う人
 9: ウィンタースポーツウェアの販売
10: 胡散臭い化粧品の営業
11: マンションの管理会社

11個だった。

インターンも最近始めたから、それ入れたら12個だった。

1年間続けていた飲食のバイトから離れ、ほぼほぼ単発で、旅館は4ヶ月、マンションは2ヶ月(今も苦しんでる)という短いスパンでいろんなことに触れてきた。

その中でも印象に残っているのが、

3: コロナ支援物資のピッキング
6: モデルルームの設営
10: 胡散臭い化粧品の営業
11: マンションの管理会社

の4つ。旅館はまた別物で、留学みたいな物だったから割愛。



和歌山にいた時に書いたnoteたち





3.6に関しては、こんなところまで仕事なんだよな、と「仕事」の広さを感じたからよく覚えている。

コロナの支援物資なんか、ここ数年で仕事になった物だろうし、もうすぐなくなるかもしれないし。初めての派遣で行ったバイトで、知らん人に囲まれて乗る黒い車、行き先のわからない埋立地の見える道路、しんどかったらどうしよ!という気持ちであせあせしていた。

モデルルームの設営は、アパートの一部屋を内見できるようにインテリア小物を置いていくアルバイトだったのだが、これがまあ楽しかった。
どうぶつの森やってる気分。入ってきた人が生活を想像できるように、住みたくなるように、センスの試される仕事だったけど、レアなお仕事すぎてわくわくでいっぱいだった。

10の 胡散臭い化粧品の営業 は、自分が営業に向いていないな、とすごくよく感じたお仕事だった。東京ビックサイトでのお仕事だったし、実績もあるみたいだから、やばい化粧品ではないけど、「部分太りできる美容液」というなんとも怪しいキャッチコピー。

ビラを配って、興味持ってくれた人を中に入れ、試させて、名刺をもらって販売に繋げるところまでが私のお仕事。


あんまり楽しくなかった。

自分の使ったことがないもの、興味がない物を人に勧めて売るなんてできたものではなかった。
質問に答えられないし、「出店店舗が多すぎてどうせ覚えてないから嘘ついていい」とか言われても、、、熱意がない物を人に勧めても興味持ってもらえないわ。


営業に向いていないというか、スキルがあまりにも足りないんだろうな、と実感。いい経験ではあった。

そして今、明日も明後日も明明後日も働くのがマンションの管理会社。

これは短期バイトで3月末までなのだけど、なかなか特殊で面白い。管理人をやるわけではなくて、学生マンションの設備点検や、退室時のお部屋の点検、掃除と次に使えるように鍵を管理する、など、不動産ってこんなこともしてたんだなあがたくさんある。


いろんな間取りが見れて楽しいし、お部屋と人の物語をたくさん見ているようで、私は退室しないのに毎回少ししんみりする。


ここで得た物は、仕事の多さだけではなくて、社会人に対する知見もある。それはそれはお仕事ができて周りに気を遣って、いろんなことをよく見ている人もいれば、その逆もいる。そこで、自分と合わない人がいた時、どう一緒に共生していくのか、めちゃくちゃに頭を悩ませた。


あと5日残っているから、なんとかやり遂げたい。


そんなこんなで11個、全部にいろんな学びがあった。せっかく時間があるなら、色々やってみよう!の気持ちで手当たり次第やったことないものをやってみた。

好奇心とか、挑戦する心とか、休学する前にどっかに置いてきちゃったと思っていたけど、振り返ると、無くしても隠してもなかったみたいに、変わらない私だった。



不安と焦りとみかんと梅と



アルバイトのことをたくさん書いてしまったけど、休学してしたかったことのメインはそれではない。


もともとは、大学1年生の時に感じた違和感、好奇心の喪失から、このまま2年生になってはいけない!という危機感からだった。


私の休学は心の弱さ未来への絶望が中心で回っていて、前向きな物ではありませんでした。

だから、何をするにも不安と焦りが付き纏って、自分の価値が見出せず、苦しい毎日。


2年生になった周りの人が、大学に行って、自分のやりたいこと、続けていることを積み上げていっている姿はなによりも毒でした。


8月、なにかが自分の中で変わりますように。


そう願って飛んだ、みかんと梅干しの国。


都会の喧騒からかけ離れすぎている山奥の湯ノ峰温泉。


江戸の中後期からある老舗の旅館、あづまや。


そこで出会った、年齢もバックグラウンドも全く重ならない仕事仲間と、インターンや派遣でやってきた、歳の近い新しい友達。


体と心を癒しにやってくるお客さんや、当たり前のように駆け回るおさる。


気がつけば、私は自分を何かと比べることがなくなって、優しい湯ノ峰の空気に溶け込んだように落ち着いた感じがしていました。


焦りは不安を煽らなくなって、友達のような存在に、何かやらなきゃいけない!ではなくて、やりたいことがあるときに全力でやれればいい。「真面目」のレッテルは気にしないで、好きなものを好きでいればいいし、怠惰なら怠惰でいいんだ。


そんな風に思うようになりました。

お世話になった「湯ノ峰温泉 旅館あづまや」



残り3年


私はこの1年を振り返って、なんの悔いもなく、

休学してよかった!

と全方位に叫べます。


苦しんで苦しんで、先の見えない不安に足を取られながらでも、少しずつ自分がこれだと思えることに触れられて本当によかった。


1年前の自分は1番苦しんでいて、休学して何も得られなかったら、無駄に過ごしてしまったら、もっと未来が見えなくなったらどうしようと毎日のように涙を流していました。

もし、同じように前が見えなくなってしまった人がいたら、頑張り続けないで、一回休んでみてもいいんだよって伝えたい。


大学生活はあと3年。


多分めちゃくちゃ一瞬。
どんどん先輩たちがいなくなって学年が上がって、同期たちもいなくなって、環境が変わって、悩むことも苦しいこともきっとものすごくいっぱいある。


でも、その時その時に、私の核のような「今を大切にすること」を全力でできていれば、きっと私は大丈夫。自分を好きでいられることをやっていたい。そして、私がやっていることが、誰かを勇気付けられればもっと最高!


見失った好奇心もだんだん戻ってきたように思うし、振り返ってたくさん自分を知ってからのこれからは、まさに強くてニューゲームだと思うのだ。


たくさんの人に支えられた1年だった。


私は今の自分がとても好き。

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