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俺の前世は、おじいちゃん(6)

おはよう。スピリチュアルネイティブのタケルです。
さむっ。今日はちょっと寒いな。桜が散らないといいな。木蓮はずいぶん散ったね。

さて、前回の記事の続きから。


曽祖母と祖父(前世の俺)の和解をサポート、かつ見届けた俺は、いよいよ当時のことを祖母にお詫びすることにした。俺がそうしたほうがいいと考える以上に、祖父自身は詫びたい気持ちでいっぱいらしい。

当時…つまり、祖母を置いて家を出たことだ。(ちなみにこの時、よそに女を作って出て行ったと、かつて祖母本人から聞かされたことがあるんだが、その女性にまつわる記憶は出てこなかった。単に思い出す必要がないせいかもしれないが、ひょっとして突然家を出て行ったことで、単に祖母がそう思い込んでいただけなのかもしれない)

まず、祖父にどうしたいかを確認

祖父「とにかく◯子さんに謝りたい。家を出た本当の理由をきちんと説明して、あなたのことが嫌いになったから家を出たんじゃないって、ちゃんと言いたい」

とのことだ。そこで、まず俺は母さんに電話をすることにした。というのも、2年前の当時、祖母はデイケアセンターに通い始めていた。かつ、祖母の面倒はうちの母じゃなく、母の妹夫妻がみているので、まずは祖母と話ができる環境をどうやって作るべきか、母に相談する必要があったからだ。(母は当時、祖母宅から離れた場所に住んでいた)。

タケル「もしもし母さん。何度もごめん。ちょっと、相談があるんだけど」

母「ああ、いいけど今ちょっと忙しいから、手短にね」

タケル「ああ。さっきも言ったことなんだけど…じーちゃんが夢に出てきたって話、したじゃん。その夢には続きがあったことを、今思い出してさ。

というのも、じーちゃん、ばーちゃんに謝りたいって言ってたんだよね。家を出たのはばーちゃんが嫌いになったからじゃないんだって」

母「え! 今、おばあちゃんと一緒にいるけど、かわる?」

タケル「えっ?!」

なんとこの時、母は仕事が休みだったこともあって、ちょうど祖母宅に赴き、祖母を散歩に連れ出したばかりだというのだ。ラッキー! 母は早速、祖母に事情を説明。すると祖母が驚いて電話をかわった。

祖母「タケル? ほんとかね? あの人が謝ってたって、ほんとかね?」

この祖母の声を聞いた瞬間、俺は鼻がつんとした。

タケル「うん。じーちゃんが俺の夢枕に立って、言ってた。あのね、じーちゃんが家を出て行ったのは、ばーちゃんが嫌いになったからじゃないって。本家で、大ばーちゃんに認めてもらえなくて、男としての自分が潰れてしまいそうで怖くて、だから出て行ったんだって。だけど安心して、あの世で、大ばーちゃんとじーちゃんは仲直りできたらしいんだ。

だから、今度はばーちゃんに謝りたいって言ってた」

俺が話している間、祖父の熱い思いが胸に湧き上がってくる。

タケル「じーちゃん、おばあちゃんのこと大好きだったよって、今も見守ってるよって。たくさん傷つけて本当にごめんなさいって、言ってたよ」

ばーちゃんは、じっと耳を傾けている様子だった。少しして、震えるような声で話だした。

祖母「あたしからも言ってくれんかね、なんの事情も気づかんで、悪かったって、なあ、悪かったって。あたしはもう大丈夫よって、心配しないで成仏してねって。タケル、ありがとうね、ほんとありがとうね」

祖母が癒される姿に、そばにいた母まで癒されたらしい。電話口で母が、震えた声で必死に言った。

母「タケル、じーちゃんに、ばーちゃん死んだら、あの世でばーちゃんのことたくさん愛してよっていって! ね、お願いよ!」

タケル「わかったけど、まだばーちゃん死んでねえから、はは」

こんな感じで、俺は電話を切った。いつの間にか祖父は気が済んだらしく、俺の体はすっかり軽くなった。

偶然にも母が祖母のそばにいたことで、俺はしみじみ思った。ご先祖様たち、みんな、ことの成り行きを見守ってくれてたんだろうなって。みんなで全力サポート!って感じだったのかなって。この時、祖母はすでに痴呆気味だったはずなんだけど(俺なんか会うたび犬の名前と間違えられてた)、祖父のことはしっかり覚えていたことも、俺にはなんだか胸熱だった。


ちなみに、話はこれで終わりじゃない。この件はぼちぼち筆を置きたいが、祖父の気づきや、それに伴う家族への謝罪は今も続いている。例えば、もう一人の娘である母の妹(俺の叔母)に対する謝罪や、祖母に対して、子育てを一人っきりで任せることになった負担への謝罪など。

これらの謝罪は、俺自身の魂の成長とともに、祖父もまた成長していくことで、祖父の視野が広がり、自分のしたことに気づいたり、受け入れられるようになるにつれて、何度も行われた

その度に、俺は母に頼んで彼女たちに伝えてもらう、という方法をとった。面白いことに、母の妹へ謝罪した頃、ちょうど彼女も祖父のことを何度も夢に見ていたようで、すんなり受け入れてもらうことができた。

人はみんな、生き死にを問わず心で繋がっているんだなと、つくづく学ばせてもらっている。

そして俺は、祖父の感情が癒やされ、気が済んでいくにつれ、俺の母に対する感情もまた落ち着いていくのを感じた。最後はその話で締めよう。もう少しだけお付き合いください。

続きます。

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