うっかり留年して新社会人になり損ねた話
俺の近所の河川敷には、まだ桜が咲ききっていない。一昨日、3月31日の時点でもまだ3分咲きくらいだ。
まだ咲きかけのソメイヨシノの下で、ブルーシートを広げて談笑する若者たちが、川沿いに点々とグループを作って身を寄せ合っていた。ちょうどそこを通りかかった俺は、「まだあんまり咲いてないのに、気が早い花見だな?」と思って、だけどすぐに気がついた。
彼らは、学生時代最後の花見を、今、楽しんでいるんだ。いや、むしろ花見なんて口実みたいなもんで、とにかく安く気軽に集まれることが大事なん