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君が好きだからこそ、君を悪者にする。

まいった。
久しぶりに、まいってしまった。

僕は、今日、社長と3時間電話した。
その後、僕が片想いしているノンケ(異性愛者)の同僚と45分電話した。

何故か?
同僚が、社長に爆弾メールを送って、社長の逆鱗に触れたからだ。

いや、厳密にいうと全然爆弾メールではない。
むしろ、「僕は、あなたの強力な味方ですよ。」という内容だ。
ただ、言葉が辛辣ではあった。

何故社長の逆鱗に触れたかを、ざっくりと説明すると、
僕は、去年の9月くらいから、蕁麻疹が体に出始めたり、ストレスで喉に異物感が残る症状を抱えながら仕事に取り組んでいた。

それぐらい、仕事が精神的にも肉体的にもきつい内容だったのだ。
そんな仕事を、一緒に戦ったというか、耐えてきたのが社長だ。
理不尽なことにボコボコにされながらも、何とかダウンせずに堪えてきた。

まぁ、僕からしたら、主に僕がボコボコにされまくって、社長は二次災害レベルで、僕よりかは、まだ軽症だと思うのだが、それでも僕の部署だけに関わるわけにもいかない社長にとっては、他の面倒をみなければならない部署から受けるストレスも相まって、相当キツかったのだろう。

だから、社長からすると、僕は同じ苦しみを乗り切った、ある種の戦友みたいなものなんだと思う。
僕は、同じ苦しみを乗り切るより、明るい未来に向けて頑張る仲間を戦友と呼びたい人間なので、あまり戦友感はない。むしろ、問題を耐えてやり過ごすことしかできなかった情けない2人というイメージの方が強い。

話変わって、今の僕の健康状態を、ざっくり説明しますと、
蕁麻疹の症状は軽くなり、喉の異物感も以前に比べてかなり少なくなった。
何故か?
おそらくストレスが減ったからだろう。
何故ストレスが減ったのか?
片想いしている、同僚と仕事を始めたからだ、2ヶ月前くらいから。

ここで、勘違いして欲しくないのが、好きな人と一緒に仕事をしているから幸せでストレスが減ったということではない。
同僚と仕事をし始めてから、仕事に対する意識が変わったり、理念を共有できる人物に出会ったりしたことで、仕事が面白くなったのだ。
30をとうに超えて、ようやく、主体的に仕事をすることができるようになったのだ。恥ずかしながら。

そう、お気づきの方もいるだろう。
社長は、1年近くかけても僕を変えることができなかったが、同僚は、2ヶ月足らずで僕を変えることができたのだ。

同僚のことを好きだから変わったというのもあるとは思うのだが、それ以上に、彼の人間性や仕事哲学、人生観みたいなものを尊敬している。
僕からすると、彼はとても「ロックンロール」な人間だ。
純粋で、信念があって、「既存の価値観や権力なんか知ったこっちゃないよ、俺はこれが正しいと思ってるんだ!」ということを、声を大にして言える人間だ。
結果、社長の逆鱗に触れたのだが。

話をもとに戻そう。
何故、社長が激怒したのか?
同僚のメールが、社長を辛辣に批判しているように取れる内容だったというのもあるかもしれないが、同僚はそうではないと言った。

ここで、社長との電話において、鍵となる社長の言葉を紹介する。
そんなに、俺に文句があるなら、お前ら2人で仕事すりゃいいじゃん。

同僚は、社長のこの言葉をこう評した。

男の嫉妬って、ほんと面倒臭いな。

「嫉妬・・・?何言ってんの?どこに嫉妬があるん?」と僕が同僚に、何もわかっていない子供のようなトーンで聞くと、彼はうんざりした声でこう答えた。

「いや、お前ら2人って僕と、fatty男さんのことですよね?fatty男さんの部署、fatty男さん以外にも人いるじゃないですか、それなのに、何で僕とfatty男さんに限定するんです?しかも、fatty男さんは何も文句言ってないじゃないですか?これって、社長は1年近くかけても、fatty男さんを変えられなかったけど、僕は2ヶ月で変えることができたってことに嫉妬したから出た言葉だと思うんです。俺よりも、お前らの方が相性がいいんだから、2人で勝手に好きなようにやれよ!俺じゃ役不足なんだろ!って拗ねているようにしか聞こえないんですよね。」

やばい・・・。
いけない妄想が頭をよぎってしまった・・・。


何これ?僕、お姫様かなんかです?2人で僕を取り合ってます・・・?^^


さて、話を戻します。

そんな着眼点あるんや・・・と感心したのも束の間。
彼は、いつもと変わらない冷静な声で言った。

「まぁ、もう僕は社長に嫌われてしまったので、表立ってfatty男さんに協力はできませんね。そして、fatty男さんはこれから絶対に僕をかばっちゃ駄目ですよ。fatty男さんが、僕をかばうと社長は協力してくれなくなりますから。
となると、これまで、そしてこれから一緒にやっていく仕事が全て無駄になります。思い出してください、なんで僕がfatty男さんに協力をしようと決めたかを。

fatty男さんの部署を、再興するためでしょう?
だから、fatty男さんは、そのことだけを考えてこれからは行動するんです。
いいですか?すぐ、感情に流されるfatty男さんに忠告しておきますよ。
僕の願いは、fatty男さんの部署が再興することです。

そのためには、僕を悪者にして、社長や他の人間の意思を統率することも厭わないでください
そこで、fatty男さんが僕に情をかけて、再興できなかったなんてことになったら、僕は、fatty男さんに失望しますよ
いいですか?もう一度言いますよ。僕のことを、考えちゃダメですからね。


そうかぁ。
そうだよなぁ。
結局、君と僕の関係は、仕事で始まって、仕事で終わるのかもな。
仕事でしか、対話できないのかもね、僕らは。

なんというかね、寂しいけれど、試されてる気がするよ、君への思いの深さを。
僕は嫌でも、君が望んでいることを、どれだけできるのかい?なんて試されてる気がするよ。できないんなら、それはただのエゴだよね?そう言われている気がするよ。

君が好きだからこそ、君を悪者にしなきゃいけない日が来るなんて思わなかったよ。

君を悪者にする、か・・・。

まぁ、君は多分無茶苦茶怒ると思うんだけど、
僕がこれからやろうとしていることを告白すると、

なんとか結果を出して、「君のおかげです。」って社長に言うことなんだよね。
仕事は、なんだかんだ結果が全てなところあるじゃんね。
だから、結果を出した人間が、君が必要ですって言ったら、誰も反論できないと思うんだよね。
だから、君を悪者にするのは最終手段として、それを使わずなんとかやってみるよ。

そんな、甘いもんじゃないですよ、fatty男さん!って言いたそうだから言っておくよ。どうしても最終手段を使わなきゃいけない時がきたら、躊躇なく君を悪者にするよ。その覚悟もできた。


いや、でもね。
いや、でもね、じゃないことはわかってるんだけど。
やっぱ、みんながハッピーエンドを迎えられるよう、汗をかきたいよ。
甘いのは100も承知だけど、可能性は0じゃないと思うんだよね。
諦めが悪いタイプだから。

まいったよね。
ほんと、久しぶりにまいった。

君を好きだからこそ、君を悪者にしなくちゃいけないなんてさ。








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