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vol.8 コーディネーショントレーニング

こんにちは!サッカームーブメントデザイナー清水智充(ともち)です。

vol.6では、子供の運動神経についてお伝えしました。今回は運動神経を向上させる、と言われるトレーニング方法の一つである、コーディネーショントレーニングについてお伝えします。最近いろいろな雑誌や書籍、SNSなどでよく見かけますが、その内容を私なりに整理したものを記事にしました。

「コーディネーション」とは、 1970年代に旧東ドイツのライプツィヒ学派のスポーツ運動学者が考え出した理論です。コーディネーション能力を7つの能力に分けてとらえています。

その7つの能力とは、「リズム能力」「バランス能力」「変換能力」「反応能力」「連結能力」「定位能力」「識別能力」で、スポーツ中は、これらの能力が複雑に組み合わさって動きが成り立っているのです。
例えばサッカーをしている場合、身体をバランス良くリズミカルに動かす(リズム能力・バランス能力・連結能力)、ボールの落下地点へ身体を移動する(反応能力)など、さまざまな能力が絶えず複雑に機能しているのです。
また、スポーツでは、二つ以上の課題を同時に行う場面がたくさんあります。例えば、サッカーでドリブルをしている時、周囲の状況を確認しながらボールをコントロールするといった場合です。このような場面でも、感覚器から入ってくる多くの情報を適切に処理して身体の各部へ伝える「コーディネーション能力」が重要となるのです。

では、コーディネーション能力の7つの能力について説明します。


1. リズム能力

リズム感を養い、動くタイミングをつかむ

2. バランス能力

バランスを保つ、崩れた態勢を立て直す

3. 変換能力

状況の変化に合わせて、素早く動きを切り替える

4. 反応能力

合図に素早く反応して、適切に対応する

5. 連結能力

身体全体をスムーズに動かす

6. 定位能力

動いているものと自分の位置関係を把握する

7.  識別能力

道具やスポーツ用具などを上手に操作する


このコーディネーション能力を養うのが、「コーディネーショントレーニング」です。

コーディネーショントレーニングを行う上でのポイント


両側性

前後左右上下、前に進んだら次は後ろ、右から左へ。

複合性

運動の組み合わせ、足の運動に手の運動を加えるなど、複数の動きを組み合わせる。

対応性

条件の変化。例えばテニスボールを使った運動をバレーボールで行ってみる。

不規則

合図を変えたり、フェイントしたり、意外性のある動きを意識して取り入れる。

 変化度

ひとつの運動ができたら、少しずつ難易度を上げて次に挑戦する。

以上がコーディネーション能力の7つの能力、そしてコーディネーショントレーニングを行う上でのポイントです。

いわゆる運動神経が良い、というのはコォーディネーション能力が高い、とも言えます。指導の現場などでは、ウォーミングアップに取り入れるとより良い体の準備ができるでしょう。また、コーディネーショントレーニングを競技力向上のためのに取り入れることも良いですね。

ですが、コーディネーション能力は、本来、子供たちの遊びの中で培われるものであってほしいと思います。時代、環境の変化、技術革新の弊害として失われたものはたくさんあります。最近傾向としてスポーツの専門化が低年齢から始まっています。子供の頃から特定のスポーツだけを行うのではなく、将来を見据え、子供たちの可能性を広げるために多様な動きを経験、体験させてあげる環境を作ることが大切だと思います。

みんな遊ぼう!

続く

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