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「挽肉と米」ブームは続くのか?

こんにちは、飲食店総合支援会社・株式会社フードコネクションのマーケター石田です。

今、超繁盛店としてテレビ東京の番組カンブリア宮殿などにも登場した「挽肉と米」。
東京吉祥寺に1号店を出店し、渋谷に2号店、どちらもコロナ禍で大繁盛しているということで、様々なメディアや業界紙などでも取り上げられています。

この「挽肉と米」のブームは続くのか?
私自身はこのお店にも類似点にも行ったことがないので、
中身を知らないのですが、様々な情報を基にいろいろな角度から検証してみました。


業態・商品設計・広告費削減・家賃の秀逸性

「挽肉と米」が非常に優れている点は、商品設計!
1,500円でハンバーグ3個まで、生たまご(1人1個迄)無料というお得感、ご飯おかわり無料による満腹感、そして、それらの1回の注文で退店が多いのだと予想するので、回転スピードの速さが特徴ではないかと推測。

ハンバーグは3個まで食べる人が多いはずだし、生たまごもほとんどの方が利用する、ご飯も想定杯数が2杯ちょっと(だろう)だと思います。他は付け合わせや薬味などが少し。

という原価は一定ですし、商品が1商品なのでロスもほとんどない、なので原価率が高くてもしっかりと利益確保の計算がしやすい。

商品設計の最大ポイントである販売価格1,500円という非常にお得感のある価格設定。
これにより利益率・利益額はそこまで高くないだろうと予測。
利益を出すためには固定費(家賃・人件費)を下げなければいけないし、イニシャルコストを下げる必要がある。

あとは集客と広告戦略も重要。


【集客&広告戦略】
挽肉と米は、吉祥寺の少しはずれた立地で、キャパ20席という規模のお店で、ランチというマーケットボリュームが多くコロナ禍でも需要の高い時間帯で勝負し、インスタ映えを計算したであろう生卵で、行列をつくることに成功。SNSの拡散力を利用している点でも広告費はほぼ0円に近いはず。

つまりはマーケットボリュームの多いランチ時間帯で、今まで少ないハンバーグ専門+羽釜ご飯+生たまご映え+秀逸な商品設計+雰囲気(シンプルデザイン)が話題性を作ったのは間違いない。

【家賃】
渋谷店は1号店目の吉祥寺店の話題性を利用し、家賃のかからない空中階にオープンさせたことで家賃をおさえている。
吉祥寺店も20席という規模のお店にすることで、あえて行列も作れており、話題性を作れる仕組みが出来ており、広告費の削減が出来ている。

出店立地や行列のでき方からすると、リピートをあまり重視しておらず、人が集まりやすい場所に話題性から来る人を集客し、客数を維持していくのが狙いだろうから、それほどこの業態を長く維持する目的はあまりないのかもしれないと感じる。

ハンバーグという商品の特性上、夜の集客は弱くなる点があり、それを補う意味でも人が爆発的に集まるエリアの出店が望ましい業態である。


【人件費】
人件費も最大効率化させるためにカウンターを導入している。
そして、食券機(商品が1商品だから迷わない)、セルフの卵、セルフの水、カウンター下の箸やおしぼりで一切の無駄がない。

Youtubeなどの動画を見ると、案内に人を置くのは理想ではないかもしれないが、ほとんどが初来店になるだろうし、入店時の印象は味や接客の印象とシナジーが高いことでもあるし、評価を維持する上では重要。必要コストだと思う。

スタッフは基本的にご飯とみそ汁をついで配膳し、そのあとかたずけをすることに注力できる。=少人数で客数をさばける。

それに商品説明や食べ方、薬味の使い方などはしっかりとデザインされたものになっており、人件費削減とブランド価値上昇を一手にやっている。
さらに細かな説明などの人件費を削減し、下手な接客をしてしまうリスクを排除することで、サービスのクオリティを維持出来ていることで評価の下振れを軽減出来ていると思う。


「半熟」「肉汁」ではないハンバーグの意図

さらに言えば半熟ではないハンバーグが非常に効果的だと思う。

半熟であったり肉汁ジュワーのハンバーグは提供タイミングが非常に重要になる。しかし、挽肉と米のハンバーグはそれらのハンバーグではない。

いろいろな写真を見ると、焼台の脇に焼かれたハンバーグが置いてある。
これによりハンバーグのおかわりにすぐ対応し、ロスも生まない。

なおかつハンバーグの提供スピードが速いので、高回転率を実現できる。

半熟であったり、肉汁ジュワーのハンバーグを目指しがちだけど、、、
このポイントを捨てた?そぎ取った判断にあっぱれでしかない!!!

素晴らしい経営判断だし、素晴らしい業態作り!!

ライバル店が続出ながらも出店ペースを速めない理由?

この業態の弱点ともいえるのが、参入障壁の低さ。。。
正直に言えば、誰でも簡単にこの業態をパクることが出来ることが最大の弱点。
しいて参入障壁となるのは焼いた時の排煙くらいだろうか。。

しかし、話題性からパクリと言われるような店舗は無数に見つけられるし、唯一の参入障壁である排煙に関して言えば、焼鳥屋さんや焼肉屋さんなどは特に問題にならない。

事実焼鳥屋さんのランチ営業でこの業態をまねたお店は非常に繁盛している。炭も元から使っていることを考えるとイニシャルコストはほとんどかけていない。

居酒屋のランチなどで考えれば、集客人数もさほど多くないので排煙なども全く気にする必要がない。

ということで、夜主体の店舗の二毛作営業に導入され今後も類似店舗は増え続けることが予想されている。


その中で、出店ペースを上げていないのが素晴らしい。

先ほども書いたように損益分岐がわからないが、夜も集客しようとすると出店場所は乗降客数の多いエリアになってくるため、候補地が限られるはず。

目先の利益がほしい経営者ならすぐに出店をおこなって回収回収と焦るところだし、話題性が高いので声掛けは無数にあるなか、出店ペースをあげないのが試合巧者という感じがする。

「挽肉と米」は本家本元であり、多くの人が行ってみたいと憧れるお店。
出店ペースを上げてしまうと、その味を食べられる方が増えてしまう。。。

これがなぜ良くないのか、、、それは価格設定にある!(のでは?)

商品設計の最大のポイントは1500円というお得な価格!それを支えるのが少ない利益構造。さらにそれを支えるのが固定の最大削減。

お店が増えてしまうと食べられる方も増え、この商品と低価格の高付加価値を安売りすることになる。
出店をあえてしないことで、「食べたくても食べられない人」を増やし続けて、集客力(憧れ)とブランド力を維持し、競合店舗が乱立しても、「食べたくても食べられない本家本元」のポジションを維持する戦略ではないかと予想する。


ブームで終わらせない戦略がいっぱい?

ということで、参入障壁の低い業態を開発したが、ハンバーグオンザライスのお店が乱立し淘汰されるまで、本家本元にしか作れない価値を維持することで、ブームの後も生き残ろうとしているように思えました。

優秀な業態だけに、大きなマーケットだけど専門業態が少ない市場で横展開なども可能性としてはあるのかなと推測しています。

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