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来る

TOHO日本橋で鑑賞。「ヘレディタリー継承」みちゃったから、邦画ホラーはそんなに期待しないね~とかいってたのに。言ってたのに!面白かった!!初詣に匹敵するお祓いショー。見る養命酒だと思います。

ネタバレご注意ください。*12/17つらかったところ追記 1/9リピーター追記

あらすじ:澤村伊智の小説「ぼぎわんが、来る」を映画化したホラー。黒木華、小松菜奈、松たか子、妻夫木聡らが顔をそろえる。恋人の香奈との結婚式を終え、幸せな新婚生活を送る田原秀樹の会社に謎の来訪者が現れ、取り次いだ後輩に「知紗さんの件で」との伝言を残していく。知紗とは妊娠した香奈が名づけたばかりの娘の名前で、来訪者がその名を知っていたことに、秀樹は戦慄を覚える。そして来訪者が誰かわからぬまま、取り次いだ後輩が謎の死を遂げる。それから2年、秀樹の周囲で不可解な出来事が次々と起こり、不安になった秀樹は知人から強い霊感を持つ真琴を紹介してもらう。得体の知れぬ強大な力を感じた真琴は、迫り来る謎の存在にカタをつけるため、国内一の霊媒師で真琴の姉・琴子をはじめ、全国から猛者たちを次々と召集するが……。 映画.comより

感想:スーパーB級オカルトエンターテイメント‼︎


パンフ即買いましたね。映画仲間、数名しかみてないし、そもそも予告の時点で「松たか子の顔に傷とは…ありえねぇ!」と憤りスルーするつもりだったのに。オカルト版シン・ゴジラの呼び声高いとあっちゃみるしかねぇ。と相成り、仕事切り上げて映画館へいそいそ。

原作読んでないのですが、モーマンタイ。稲垣吾郎×菅野美穂タッグの「催眠」を彷彿させるようなビビッドな画面と、打てば響く素晴らしいBGM。よく「音量上げないと聞きとれねーわ」ってなる昨今の邦画(とくにホラー)は見習ってほしい。あとOPがクソカッコいい。余は満足じゃ…

Twitterの感想みていると宗教監修をきちんとしているので、呪文ひとつとってもガチだし、後半の除霊ハイローザライブみたいな場面もばっちり櫓とか組んでて変な笑いがでた。ザ・プロフェッショナルの流儀な神官とか、新幹線のやりとり、巫女の「来るよ」とかぶちあがるわ!!!


すべては思い出せないけどTwitter感想を集めてたら
「光明咒」
「薬師如来咒」
「不動明王咒」
あたりは出ていたらしい。 咒 = 呪文です


光明真言「オン・アボキャ・ベイロシャノウ マカボダラ・マニ・ハンドマ ジンバラ・ハラバリタヤ・ウン」

薬師如来「ノウボウ・バギャバテイ~以下略」か「オン・コロコロ・センダリ・マトウギ・ソワカ」

不動明王「ノウマク・サンマンダバザラダン・センダ・マカロシャダ・ソワタヤ・ウンタラタ・カンマン」

思いつくのはこれくらい。ノウマク~はよく護摩焚きで使う。昔、曾祖母に「般若心経は心を整える、不動明王様は追い払ってくれる」と教えてもらい、両方覚えた。


良かったところ

子どもが怖すぎ。キャスティングしたひと拍手
毛虫が赤い靴から湧いてくるとこ
子どもの形を借りた「あれ」のビジュアル
岡田准一の元カノ(小雪系)
妻夫木渾身のクソっぷり(ああいうひといます、マジで)
トイレで絶命した黒木華の笑顔
盛り塩踏み潰す直前の黒木華の笑顔
除霊ザ★スーパーライブ
新幹線の神官、カプセルホテルの装束着付け
女子高生巫女の「来るよ」
小松菜奈、途中まで気づかなかったw
柴田理恵!柴田理恵!

後半、和光市の新築マンション(推定駅から徒歩15分4200万円3LDKフラット35)の1室をヤシオリ作戦かよ…ってくらい国を上げて除霊しているのに「あれ、脚本CLAMPかな?」って思ったのは秘密です。東京BABYLONとかX思い出した。あと柴田理恵よく出演したな(東京メトロCMで座禅組んでた上戸彩が草加に怒られた話がまことしやかにあったので)柴田理恵演じる逢坂っていう祓い師、中華屋で死んだかと思ったら隻腕で蘇るんですよ。松たか子の信頼する筋っていうんだから、よほどの使い手だったのかね。渋い!!


つらかったところ

流産、死産、堕胎の表現
忘れられた「ちさ」
「ひとり産んだくらいで偉そうに」
↑このセリフ、リアルで聞いたことがある。結婚して3年目の友人が家に帰りたくない病にかかりつつあったころ、ふたりでバーで飲んでたら「今のカミさんも子ども(3歳)も執着してない、明日家から消えてたら独身に戻れて小躍りする」「母親ってなんであんなにうるさいんだろ。たかがひとり産んだだけで偉そうに。二人目なんて絶対いらない」正直、ちょっと絶望した。あれだけド派手な結婚式やって、馴れ初めまで順繰りに聞かされて、一姫二太郎がいいから次は男の子ね、なんてのたまってたくせに。愛情の空中分解ってこれか。それから半年もたたないうちに離婚。奥さん子どもには申し訳ないけど、別れてよかったと思う。かれといても幸せは来ないし、私も連絡しなくなった。



まとめ

邦画ホラー、というと語弊があるかも。オカルトスーパー大戦ですかね。2時間半もあるけど、エンドロール体感1分くらいだったので、冗長には感じませんでした。★4つあげる!

邦画でキャラクター特性が反映されているかを小道具大道具でチェックしてしまう性分の自分は大満足。特に秀樹なんてファッションからみせるやつの薄っぺらさと、結婚家族をアクセサリーとしてみてない感じが自宅にあふれてて上手い。どうやら秀樹宅、はいってすぐの玄関に鏡があったらしく、お守りと逆の壁。鏡は玄関扉と向かい合わせに置いてはダメ(直角ならよし)悪い気もってきたときすいこまれて止まるのでオススメしない。

お祓い屋の松たか子もビジュアルキャラともに100点満点。岡田准一や妹に「弱いから、”あれ”に魅入られるのよ」と吐き捨てるあたり、いいねー!恐怖は体力気力ゲージ減ってると感染します。だけれども、強がって「信じない」って言いきるのもその裏返しで。要はぶれない軸を己の中に持てってこと。これが結構難しい。岡田准一は真田広之化しており、カッコよさがほぼないです。アクションの見せ場もないけど、タバコとブーツと無精ひげが似合う似合う。ガタイはいい。演技もいい。あと背が低い。

総理大臣レベルで国と繋がってるお祓い師、比嘉琴子

*2回目みました。ラリってるとしか思えないOP、川で修行する傷だらけの背中は琴子っぽいし、時系列の度にはいる音響も不快指数120%だし、新幹線組は移動前に神社でお祓いやってるし、「まず、鳥が鳴きます」のあとに響く鶏鳴三声(天岩戸に隠れた天照大神を呼び戻すために鶏の鳴き声で誘い出す)クソカッコいいし、巫女の女子高生たちは制服がばらばらで各所から集めた感半端ないし、儀式の準備中は片袖にお札だし、絶命した逢坂さんの背中一面にモンモンが…等々、細かい演出が確認できました。新年会で「細かすぎて伝わらない”来る”モノマネ」を延々とやれて楽しかった。

小説読んだらめちゃくちゃ出来はいいうえに、第3章だけラノベでびっくりした。琴子の名前でビビり去る雑魚低級霊に爆笑。著者近影の澤村伊智さん、イケメンですね!!!


以上です。


参考記事

九州四十九院薬師巡礼(真言)


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