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読む日々

十何年かぶりに二子玉川へ。二子玉川ライズは大型ショッピングセンターというより駅自体が小さな街のような、なんとも不思議な場所。インド料理で遅めのランチ、蔦屋家電ZARA HOMEをぶらぶら。蔦屋家電はヤマダ電機のような店舗を予想してたら、書店、家電、家具、文具となんでもそろっており眼福の極み。気づいたら2時間ほど滞在してしまった。書店では何冊か検討して石田ゆり子のエッセイ「Lily 日々のカケラ」を購入。電車に揺られながら読んでみるとなかなかよい。写真やファッション、コマ割りのテイストも丁寧につくられていて、とても好み。桐島かれん「ホームスイートホーム」に近いものがある。なんどか読み直したくなるエッセイになりそう。ゆっくり味わいたいと思う本が手元に増えるのは嬉しい。


地元の駅前には本屋が2店あったのだが、ひとつは昨年閉店してしまった。全国のどこかで毎日1店舗以上の書店が閉店しているという事実。出版業界に未来はないと散々言われているけれど、電子書籍が爆発的に広まったアメリカでは、いまでも独立系書店が元気らしい。私は毎月の予算で読書に5,000円程度確保しているが、ほぼ本屋で購入している。棚から棚をめぐり、好みの本を探してアドレナリンがでてくる状態が好きなのだ。たぶん、「きのう何食べた?」のシロさんが中村屋でハンターになっているときに、近いと思う。

平静を装っていますが、かなりの充実感で興奮しております



こちらのnoteは元書店員の方の意見。面白かった。

⇒新刊だけの取扱いで、個人経営の書店が生き残るのは無理
⇒本以外の商品の取扱い、物販や飲食も視野にいれる
⇒イベントやワークショップで顧客へのアプローチをひろげている

上記のように、ワークスペースがあるセレクトショップや本屋の形態がここ10年で増えており、「空間」を買う、楽しい「経験」を買うというアプローチが重要になっていてる。カスタマーエクスペリエンス - CX - なんて言葉がでてきている昨今、「買う」という表現自体がもう古いのかもしれない。


kindleで電子書籍を買うこともあるけれど、やはり店舗に出向いて新しい出会いがほしい。1冊の本には世界が詰まっている。イラストや文字、装飾や手触り、学術、歴史、ロマン。ページを開いたその瞬間から、本は読み手の物語になりえるので、だれひとり同じとらえ方も共有もできないと思っている。いつだか中学の国語の授業で「この表現について作者の感情を述べよ」というありがちな質問にたいして「受け手の物語は十人十色のはずだ」「ひとつだけの回答はありえない」と散々訴えて教師に呆れられたのをおぼえている。うるさい生徒でごめんなさい。

日々を彩り、未知の世界へいざなってくれる読書は(私にとっては)映画と同じくらい大事な学びの手段であり、手軽にできる日常からの脱出でもある。まずは積読の消化から、と思いつつ、昼休みにふらっと本屋にすいこまれていく、そんな日々をおくっている。



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