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大城太著(2016)『あなたの人生をひっくり返す 華僑の非常識な成功法則』ぱる出版

違う視点を提供してくれる本

積読本を整理している中で、読みやすそうな本を発見し、読んでみた。

昨今は日本にも多くの中国からの観光客が来るけれど、そのマナーの悪さだけが目立っているように感じるものです。

ただ、彼等が旅行ではなく、新天地を目指している場合に、どのような考えにあるのかを知る上では参考になるかも知れない。その意味で、ある種、図々しく生きていくための参考としては良い教材なのだろう。

全体的には、華僑崇拝的な感じの上から目線での記述になっているように感じられたが、要所要所で日本人も見習うべきことが散りばめられている感じがした。もちろん、ここに書かれていることを全て真似ることはしなくて良いが、自分の考え方を別の切り口で見てみるという点で理解すると、すんなりと頭に入ってくるのではないだろうか。

例えば「お金を将来のために貯金するか、経験のために消費するか」や、「ホウレンソウをトラブル防止の為に行うか、トラブル後に行うか」など。後者は、そもそも日本は権限が現場に与えられていない事が多く、そのために権限のある職位の人に情報を伝えるためにホウレンソウを使うが、華僑は権限は現場に与えられており、むしろトラブル処理が評価を上げる手段であることから、いかに自分がトラブル対応に長けているかを対処後にホウレンソウするとのこと。この点は、日本の組織の弱点でもあり、トラブルが起こったことそのものが人事評価を下げることに直結することの多い日本の悪い点を端的に表しているとわたしなりに考察した。ゆえに日本では組織的隠蔽事案が多いんだと理解。

同様にクレームに対しても、日本は出ないように働くし、華僑は出るものとして働く。こういうところにも、交渉事等での話の切り口等で華僑の方が弁が立つ人材が多いような感覚もあり、あながち嘘でもない気がする。

さらに怒りを感じた時に、我慢して問題に蓋をするのか、問題解決のために怒るのかという違いも理解出来る。

簡単に読めてしまう分量なので、ちょっとした休憩時間などに少し読んでみるだけでも考え方の観点の違いを知ることが出来るだろう。

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