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ブロックチェーンを活用した、情報管理とその使い方について。

初めまして。
CAB の FELIX と申します。これからnoteに仮想通貨やブロックチェーンに関連することを書き綴っていきたいと思います。

現在はヨーロッパ、シンガポール、日本で進められている3つの仮想通貨やブロックチェーン関連のプロジェクトに関わらさせて頂いています。
その他、自主企画を1件、投資家への事業提案を1件が進行中です。
それぞれの事業が全く異なる内容であり、それぞれの領域で学ぶ事がとても多いです。

近くマガジンを発行して行きたいと思いますので、そこでこれらの案件に関する事も紹介できる範囲でしていきたいと考えています。

さて、記事を書く前に方針をお伝えしておきたいのです。

仮想通貨系のサロンとしては、

仮想通貨全般、ブロックチェーンなど総合的なサロン、
d10n Lab(平野淳也さん)
ビットコイン研究所大石哲之さん、東晃慈さん)

トレード寄りならば、
墨汁うまいと学ぶ仮想通貨の世界(墨汁うまいさん)
KAZMAX Trader's Salon(吉澤和真さん)


など、優良なサロンやメンバーシップはすでに幾つもあります。
私も全てではありませんが参加させて頂いており、また無料で読める範囲の記事はだいたい読ませて頂いて、勉強させて頂いております。

大石さんや、平野さんの記事は濃密でとても真似できないとは思いますし、また、すでに優良な記事が多くあるのは承知ですが、やはり私が見ている視点は異なる部分があります。

そのようなわけで、
重なる部分も多いかもしれませんが、彼らとは異なる視点から仮想通貨やブロックチェーンについて綴って行きたいと考えています。

1. ブロックチェーンを活用した情報管理?

ポイントプログラムや記念スタンプなどの情報を、ブロックチェーンを活用したシステム上に構築し既存アプリケーションなどと連携させると言う試みは、色々と出始めています。

直接ディスるのは避けますが、大手ネットワークシステム系企業などでは、なかなか高額な運用費用がセットになった状態で、ソリューションパッケージとしてB2B商材として販売しています。

これが悪いとは言いません。ただ、はっきり言うとこの程度の内容であれば、すでに長年に渡ってブラッシュアップされてきた、データベースによるソリューションの方が遥かに早く、安く、実装できるでしょう。

万一記録を誤ると改竄できませんので、上書きになり、その誤ったログはそのまま残るでしょう。改竄困難であることと、チェーンになって居ることが、必ずしも最良なわかけではありません。

彼らにとっての顧客は恐らくブロックチェーンを理解していないでしょう。
ただ「ブロックチェーンと言う言葉をつかってPRしたい」と言う意図があるのは間違いない事だと思います。
しかし商売ですので、これはこれでいいのです。

ただ、ブロックチェーンを活用したソリューションとしては「難あり」と言わざる得ないと思います。そこで、より適切な用途と実装方法について考察したいと思います。

2. そもそも何をブロックチェーンに記録すべきか?

「ブロックチェーンで著作権管理をする」という様な記事もニュースなどで見受けますが、普通に管理するだけであればブロック処理をしない、データベースの方がいくつかの理由で優れているでしょう。

悪意のある管理者によって「不正に改竄される」可能性は、あるかもしれませんが、そこを改竄して特別に儲かるわけでもないので、そんな暇な事は誰もしないでしょう。(する人は居るかもしれません!)

「著作権」と言う単語は、その「音のひびき」ですでに「重要そう」な印象をうけますし、事実重要な情報です。ですが、だからと言って「パブリックチェーンに書き込めば良い」という事ではないです。

・著作権と何かの組み合わせで必要
・著作権を絡めたスマコンの為に必要
・仮想通貨を絡めたペイメントを前提とするため必要

上記の様に、より具体的な必要性がない限りは、
ブロックチェーンである必然性があまり無いと言えると思います。

2017年6月、マサチューセッツ工科大学(MIT)は「Blockcerts」を製作し、一部の修士課程修了者111人に対して試験的にデジタル修了証書を学生に配布したそうです。(以下はそのサイトとニュース)

MIT Blockcerts
MIT、ブロックチェーン卒業証書を授与--改ざん不可能で真正性を保証、共有も容易


CNETの記事を引用
「学生が自分の学歴を証明するには、雇用主や学校、家族、友人などに証書ファイルのリンクを知らせたり、ファイルそのものを送ったりすればよい」

記事ではこう書かれていますが、、、

例えば「学生から単発の学習履歴を証明するためにリンクやファイルを送ってこられても、送られた方の企業はきっと困る」でしょう。

もちろん、MITとして試験的なものであるのは承知しています。
ただ、学習や履修履歴を「証明」するためのブロックチェーン活用例として考えると、好例だとは言えないと考えています。
それはこの証明書が、オーソリティからの一方的な証明の発行であり、受信する側との間に(明確な)コンセンサスがない為です。

ブロックチェーンを実社会において「証明」に活用すのであれば、複数人によるコンセンサス形成、スマートコントラクトを活用して合議形成の上で「証明」を作るべきだと考えます。

普通に考えて個人情報をパブリックチェーンには書き込めないでしょう。
プライベートチェーンなら大丈夫ですが、それでもあるユーザーにとって見えなくて良いものまで見えてしまうでしょう。

個人情報保護の観点から、個人情報をチェーンに記載しない前提でいえば、つまるところデータベースとの連携が重要になってくるはずです。

3. 証明のコンセンサス形成

権威ある組織や団体が一方的に発行する証明は、そのトラストが組織や団体に存在するため「証明の正しさ」の所在は明白です。その場合はトラストな組織が情報を変更する権利も有するため、サーバを使ったデータベースのソリューションで良いわけです。

例えば「証明」と言う意味のおいては、
以下のような課題が存在し得ます。

1、ある資産や知的財産を証券化する場合
・適法にセキュリティートークンが発行できるか?
・配布するトークンに価値があるのか?
・配布するトークンの価値を維持できるか?

2、ある経験や履歴をエビデンスとして記録する場合
・誰が誰に発行するのが適切なのか?
・発行された側が合意しているのか?
・その情報は統合管理されているのか?

この様な用途では、完全なトラストレスな状態を構築する事が不可能ではないものの、難易度が高いため、絶対的な中央集権を回避する意味で、ブロックチェーンとスマートコントラクトを活用し、複数によるコンセンサスを形成する方が好ましいと考えられます。

具体的な解決方法については、後日マガジンなどで書かせていただきたいと思います。

4. ケーススタディとカスタマージャーニー検証が足りない

ブロックチェーンを活用したソリューションにおいては、実社会で活用されている状況を前提とした、リアルで具体的なケーススタディや、カスタマージャーニーの検証が十分になされて居ないと思います。

個人情報をパブリックチェーンの記録しない前提である時、その証明の保有者が本人である事をどうやって証明するのか?
もしも、対面でパスポートやIDで本人確認したら本末転倒です。
ただ、現状で目にする様々なプロジェクトでは、カスタマージャーニーが上手く成立していないモノが多いと感じています。

実世界での運用をリアルに想定した検証作業や、カスタマージャーニーを含む広義のデザインを本気で行わない限り、リアリティの無いソリューションしか出てこない可能性があると感じています。

5. 最後に

いかがでしたでしょう?
「ブロックチェーンを活用した情報管理について」を書いてみました。
具体的な解決方法などに言及できてませんが、全てをオープンにお見せできない部分もありますので、ご了承ください。
マガジンが始まれば、チャートなどを活用しつつ、より具体的な解決方法やソリューションについて綴って行きたいと考えています。

今回の結論としては、、、

・ブロックチェーン(BC)を単に宣伝文句で使ってるケースが多い
・BC と言う割に、中央集権ソリューションが多い
・上記の通りデータベースで出来る事をわざわざ BC でやる例が多い
・トークン化した時の課題を一旦無視したアイデアも多い
・スマコン活用やコンセンサス形成をしないケースも多い
・ケーススタディとカスタマージャーニー検証が全然足りない

ここまで書いてみて「少し異なる視点」とは、、、

・実際の現場レベルでの考察が含まれている
・実際のプロジェクトで考えた事が含まれて居る
・仕事上の議論や意見交換などの経験に基づく言及である
・ユーザー側に立った視点でのリアリティについての考察がある
・実社会での活用などについて客観的に見て居る

みたいな感じかなと、自分で書いていて思いました。

最後まで読んで頂いて、ありがとうございました!
今後も「少し異なる視点」から、
仮想通貨とブロックチェーンに関連する事柄について綴って行きます。

ありがとうございました!
よろしくお願いいたします。

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