本多孝/フェルミエ

フェルミエ(新潟のワイナリー&レストラン)の栽培・醸造家

本多孝/フェルミエ

フェルミエ(新潟のワイナリー&レストラン)の栽培・醸造家

最近の記事

ピノ・ノワールとアルバリーニョの雨対策

新潟も連日の猛暑ですが、畑のぶどうは顆粒の肥大期を迎えております。 密着粒のピノ・ノワールとバラ房のアルバリーニョ 〈写真1〉はピノ・ファン(小)と呼ばれるディジョンクローン(115)のピノ・ノワール、〈写真2〉はアルバリーニョの現在の房の様子です。 ご覧の通りピノ・ノワールは密着粒ですので、果粒と果粒の間に湿気が溜まったりすると灰色カビ病などを誘発しやすいです。 一方、アルバリーニョも比較的果粒は小粒ですが、(小)果梗が少し長くて果粒が密着せずにバラけています。

    • フェルミエの栽培・醸造チーム

      フェルミエでは2020年から写真の5人のメンバーでぶどう栽培とワイン醸造に取り組んでいます。このチームで2年目となった2021年は皆が熟練し、有機的に機能する誇らしいチームに成長しました。2021年は彼らの頑張りと、天候も幸いしてこれまでにない最良のぶどうを収穫することができました。 このチームを統括する立場にある僕と他のメンバーとの関係や、チーム内での連携についての記述です。 フェルミエの仕事の進め方常勤は僕と西岡の二人。他の3人は週3日勤務だったり、レストラン業務との

      • 究極のワインライフを楽しむレストランへ。 「フェルミエ 」 をリニューアル

        フェルミエのレストランをリニューアルし、7月17日(土)よりスタートします。 リニューアルの経緯やリニューアル後のレストラン営業等につきご案内させていただきます。 フェルミエのレストランの特性と存在意義フェルミエのレストランは、 ① 都市部から離れたぶどう畑を見渡す田園のロケーションにあります。 ② 新潟のテロワールが現れるファインワイン造りを志向するワイナリーのレストランです。 従って、街場のレストランやビジネスランチを提供するレストランとは明らかに違う個性を持つレストラ

        • フェルミエの”ポジショナルプレー”

          アルバリーニョの傘かけ先週末から恒例の棚のアルバリーニョの傘かけ作業を行なってます。 アルバリーニョは樹勢が強く枝も3次元方向に伸長する"暴れぶどう"なので効率よく傘をかけるためには枝の誘引作業が必要になります。そして軸が短いので傘かけは難易度が高いです(ちなみにスペインのアルバリーニョは傘なんてかけませんし、誘引も行いません。少なくとも僕の理解では。しかし、経験則からフェルミエの棚栽培の畑のアルバリーニョは晩腐病などの害を防ぐための最善の方法は今のところ傘かけなのです。)

        ピノ・ノワールとアルバリーニョの雨対策

          「二十歳のワイン」ができるまで

          春:新型コロナウイルスのいたずら「ワイナリーでアルバイトの仕事はありませんか?」 新型コロナウイルスの影響で、海外留学を目的とするこの春の渡航を断念せざるを得なくなった19歳の青年(通称Ted、村松 輝也、プロフィールは末尾参照)がフェルミエにやってきた。 コロナの影響でその週末の苗植えの人員確保に苦慮していた僕は即答、「是非、お願いしたい。」流石にワイナリーのアルバイトに自ら志願するだけあってこれまでの学生アルバイトとは畑での目の輝きが違う。 余談になるが、フェルミエで

          「二十歳のワイン」ができるまで

          収穫を終えたアルバリーニョの畑より

          ワイナリー前の畑(エルマール)のアルバリーニョ収穫翌日の昨日は雨でした。果実を獲り終えた樹を見ると何だか力が抜け落ちるよう。収穫したら醸造にも勤しまなければならないのですが、無事に収穫できるように毎日、不安な思いで緊張して世話してきたので...。 特に今年の気候は、7月の雨、雨、雨、...。                 そして8月中旬以降、収穫直前までの猛暑。 アルバリーニョのもうひとつの畑(棚の畑)は、7月の雨による病害は凌いだのですが、雨・湿気対策にプライオリティを

          収穫を終えたアルバリーニョの畑より

          新潟ワイン「田園 新潟シャルドネ2019」

          フェルミエより新しいシリーズのワインリリースのお知らせです。 “新潟ワイン”シリーズを白赤それぞれ1種類ずつリリースします。 7月22日に白ワイン「田園 新潟シャルドネ2019」を先行してリリースしました。 フェルミエはぶどうが育つその土地の自然を尊重し、その土地の自然が素直に表れるワイン造りを目指します。 新潟の太陽や、新潟の豊かな自然の恵みを受けて育まれたぶどうから醸すワイン「新潟シャルドネ」。”日本一の米どころ新潟”の越後平野を日本一の大河 信濃川が流れます。シャル

          新潟ワイン「田園 新潟シャルドネ2019」

          「ミシュランガイド新潟2020 特別版」雑感(その2)

          あらゆるジャンルの美味しい料理が揃う東京ではなく、なぜわざわざ国内外の美食家が新潟のレストランを訪れる必要があるのか? その答えは東京などの大都市では体験することができない地方ならではの独自性にあると思われます。独自の食材を生み出すテロワールや食材であったり、その地方ならではの調理法や伝統料理、その地方のこだわりシェフのオリジナリティ溢れるレシピ…など。例えばミシュランガイド新潟で二つ星の「UOZEN」井上シェフの野趣あふれる趣向は東京では実現できないもので、新潟に移られたか

          「ミシュランガイド新潟2020 特別版」雑感(その2)

          「ミシュランガイド新潟2020 特別版」雑感(その1)

          7月17日に「ミシュランガイド新潟2020 特別版」が発売されました。近所の大型書店では即日完売。地元の方も我が街の馴染みのレストランがミシュランガイドに掲載されているのか? どのような評価なのか? まだ自分が知らない美味しいレストランはないか? 人々の食に対する興味や関心の高さを窺わせる事象です。 まずご報告ですが、フェルミエのレストランは「ミシュランプレート(ミシュランの基準を満たした料理)」のレストランとして掲載いただきました。 お料理の評価については私は素人なので

          「ミシュランガイド新潟2020 特別版」雑感(その1)

          フェルミエのアルバリーニョのワイン造り (スペインと新潟・フェルミエの比較を交えて)

          新潟ワインコーストに位置するフェルミエでは、ワイン業界で今や世界的にも注目を集めるアルバリーニョという白ワイン品種を栽培し、このぶどうからワインを醸造しております。アルバリーニョのワインについて投稿します。 【要旨】 アルバリーニョはスペインの北西部(グリーンスペイン)、大西洋沿いに位置するガリシア州のリアスバイシャス地方で栽培され、スペインの白ぶどう品種の中で最も高貴な品種とされる。リアスバイシャスは多湿なエリアで、年間降水量は1,800mmと新潟と同等程度。夏は比較的冷

          フェルミエのアルバリーニョのワイン造り (スペインと新潟・フェルミエの比較を交えて)

          フェルミエのワイン造り(Pen Onlineの記事を受けて)

          フェルミエのワイン造りの一端をお伝えします。 フェルミエは海に近い新潟市西蒲区でアルバリーニョ、カベルネ・フラン、ピノ・ノワールを栽培し、ワイン醸造・販売まで直接行うマイクロワイナリーです。ぶどう畑を望むワイナリーにはレストランも併設しており新潟フレンチとフェルミエのワインをお楽しみいただけます。 ”自然派”というカテゴリーの記事ですので、「フェルミエは自然派なのか?」と思われる方もおられるかもしれませんが、フェルミエのワイン造りのポリシーやアプローチがどのようなものかは記

          フェルミエのワイン造り(Pen Onlineの記事を受けて)

          フェルミエのカベルネ・フラン

          Pen Onlineの連載「ワインは、自然派。」でフェルミエの「カベルネ・フラン2017」の記事を掲載いただきました。

          フェルミエのカベルネ・フラン