見出し画像

職場環境におけるパワハラ&逆パワハラ問題 あなたのせいじゃない、と誰かに言いたかった

私の中で職場でメンタルを悪化させる三条件というのがある。
以下が揃うとメンタルをやられる確率は各段に上がるように思うし、まぁ経験的にもそんなものだと思う。

・長時間労働
・何を成果として求められているのかよくわからない成果主義
・パワハラ・逆パワハラ環境で誰もいなす人がいない場合

私の学生時代はまさしくこの三条件が揃ったブラック極まりない研究室だったので(実際に人が辞め、留学生が国に帰ったり、先輩が大学に来なくなった)、学生のうちは耐えたが次にこんな目にあったら絶対に辞めてやるとひそかに決意した。
研究室は朝9時から始まり、研究のディスカッションが目的のミーティングは夜10時からでその日のうちに帰れると今日は早く帰れた!と思う日々だったし、土日の片方は必ず出ていた。よくわからないいじりというか、パワハラもあった。そして、学生だったのでもちろん学費は払っていた。
どう考えてもブラックすぎる。

だから就職したときは、労働基準法が適応される職場は最高!だと本気で思った。学生みたいにお金を払いながら理不尽な環境に居続けることはないし、次こんなことになったら絶対やめてやると心に誓った。

***

もうそろそろ時効だよね、と思って書くと、早期退職した職場はパワハラ・逆パワハラがそれなりにあった。
それなりに、と書いたのは、どこからどこまで訴えて良いのかわからなかったし、全体としては超ホワイト企業だったのでグレーゾーンがよくわからなかったからだ。

私は部下からの逆パワハラを受けていたが、上司に訴えても「そんなものは無視しろ」と言われたし、あまりにひどいと思い正規のラインを通じてあげたら、上司である部長に「部内で対処できるから問題ない」と直ちにもみ消された。
毎日仕事が終わらなくて疲れ切っていたし、他の人で上手くその人とやっていける人もいたことは知っていたので、自分が悪いのかと本気で思っていた(はっきり言ってこのときの私はおバカさんである)。

だから、その人(当然被害者は私以外にも複数いた)と他にも一般社員でパワハラ気質の人もいたので、マネージャーとして部内研修も企画したり被害を小さくしようと頑張った。加害者側のメンタルにも気を配った。
加害者のメンタルが不安定になると良くないパターンが出てくるから。
でも、はっきり言って焼け石に水だった気がする。

後々、早期退職を決意したせいで、私の複数の部下にヒアリングがなされ、上司の目がひどい節穴で(私も気を遣ってよっぽどのもの以外は挙げていなかったし、周りは自分への被害が及ぶのを恐れていた)、一年以上経って実態が把握された。引き留められる時に殺し文句のように「その人をグループから今すぐ外すから、残らないか?」みたいなことを言われたけれどはっきり言って遅すぎる。
家庭環境要因も大きかったので、辞めるかどうかの意思決定において論点はそこじゃない。

今更なんなの、である。

その時にはもう仕事でやりたいことはほぼ全てやらせてもらったし、環境は変わらないからいいやと思って冷めていた。
パワハラが原因で早期退職を選んだわけではない。
でも、影響がなかったとは言えないのは正直なところ。

仲良くしていた他部署の女子GM仲間には、辞めることを決めてから数々のエピソードと共にこの話を暴露したら絶句していた。
「周りの男どもはみんなバカなの?!」とブチ切れてくれ、私もスッキリしたのをよく覚えている。

いろいろあった当時そこまで大騒ぎしなかったのは、会社や職場、仕事内容に愛着があって頑張りたいという思いがあったからである。転職なんてしたくなかった。
一緒に働いている同僚も部下も好きだった。ブラックな働き方はマネージャーという職種もあったし、プレイヤーを手放せばそこは少しはましになると思っていた。変えていきたい理想の組織に向けて、あと2年はマネージャーをやりたかった言わなかった本音。

女はこれだからぎゃーぎゃー言ってうるさいとか言われたくなかったし、何か言うとたいてい「愚痴が多い」と怒られた。私は職場で泣くより結果で黙らせたいタイプだったので、ぎりぎりまで我慢してしまった。

早期退職を選んだ時に、お金とやりがいのために働いているのに自分と家族を犠牲にしてまで働きたいのか?と何度も自分に問いかけた。
そして、キャリアの今後は考え始めていたし、自分と約束していた「3条件が揃ったら or 揃いそうになったら辞める」とお金の問題が同時に解決されるのであればもう辞めてよし、と自分で決めた撤退ラインを越えたので辞めることにした。
子どものことももちろんあったけれど、それはどちらかといえば建前として使っていたのかもしれない。

***

今になってこの話を書いたのは、他の方のnoteを読んでいて、女性の環境は似たり寄ったりでみんなけっこう大変な思いをして働いているのだなとしみじみ思ったからである。

あなたが辛いのは、あなたのせいじゃない。

私は大きな声でそう言いたいし、誰かにそう言って欲しかった。
勇気をもってSOSを出したときに、親身になって聞いてくれるだけじゃなくて、具体的に行動してくれる人が欲しかった。

そして自分自身も、もっと声をあげても良かったんじゃないかと思う。
辞めたことに対する後悔はないが、もう一歩踏み込めたら何か違ったかなと思うときはある。

別にみんながみんなどこまでも感情を押し殺して長時間働ける男みたいな(マネージャーになるよっぽど手前で辞めていく男子もいる職場だったので、この表現がいいのかわからないけれど)猛烈に働ける方が正しくて、それについていけない人や感情的に割り切れない人が悪いとか、女性の家庭の負担が大きいからもっと外注して負担を減らせばいいとかって問題じゃない。

加害者側にきちんとした対応がなされない限り、同じことは繰り返されるし、心が乾いた仕事にしか興味がないおじさんみたいな女子しか生き残れない職場になる。

やっぱり職場にもっと外国人も入れて(といっても私の職場は外資だったので一応外国人もいたんだけれど)、Diversityを実践していかないとマジで働く人なんていなくなるだろ、と思っている。
繊細な人も、内向的な人もこれからの時代には必要だろうし。

だから本当に無理なことには無理だって言っていい。

そして改めて、私は声を上げる人を心から応援したいと思っています。
このnoteは今どこかで踏ん張っている誰かのささやかな「私だけじゃないんだ」につながることを祈って書きました。

読んでくださって、ありがとうございます。

参考:


この記事が参加している募集

退職エントリ

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?