「LIFE SHIFT2」

「LIFE SHIFT2」(アンドリュー・スコット、リンダ・グラットン、池村千秋 東洋経済新報社)
https://str.toyokeizai.net/-/book/life-shift/
https://thenewlonglife.com/

大ヒットとなった前作「LIFE SHIFT」の実践編。第1部は、人間の問題として、テクノロジーの進化と、長寿時代の到来を指摘している。その上で、人間としての可能性を開花させるために、本書では物語、探索、関係に注目するとしている。第2部は、その物語、探索、関係についてそれぞれ述べている。第3部は、企業の課題、教育機関の課題、政府の課題について述べている。
第1部は、やや前作の焼き直しかという感じがしたが、「人生への満足感を最も左右する要素は暖かい人間関係であり、「幸福とは愛である。それ以上でもそれ以下でもない」(ジョージ・ヴァイラント)」(117ページ)など印象的な言葉があった。
第2部は、「結晶性知能とは時間をかけて蓄積されていく情報や知識、知恵、戦略のこと。その点で流動性知能(情報の処理、記憶の保持、演繹的推論をおこなう能力)と異なる」(135ページ)、「年齢を重ねるにつれて強化されるタイプの知能、すなわち結晶性知能を最大限活用することだ」(153ページ)、「マルチステージの人生の本質は、エイジ(=年齢)と人生のステージの結びつきが弱まることにある」(214ページ)など印象的な言葉があった。
第3部は、個人としてはどうにもならない内容もあったが、世界でのいくつかの先進的な取り組みが紹介されていた。
最後に「本書の主要なメッセージは、人生が長くなる半面、人生で多くの移行を経験するようになる結果として、ひとつひとつの活動の期間やステージが短期化することだ。(中略)そうした変化を前提にすると、以下の5つの行動をとることが重要になる。
・先手を打つ
・将来を見据える
・「ありうる自己像」を意識する
・可変性と再帰性を意識する
・移行を受け入れる
」(324ページ)でまとめられていた。

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