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一瞬で心奪われたフィンランドプチ移住体験記 ~その4~

フィンランドの働き方・生き方


寒い冬には特に人気なプレイグラウンド。PCを開いて仕事をしたり、本を読んでいるパパやママの姿が印象的でした。

男女格差が小さくなったのは直近数十年のムーブメントか

北欧諸国が、仕事と育児が両立できていると、よく読んだりするんですが、1970年代くらいまでは、男性の方が社会で活躍しているっていう時代だったようです。

みんな大好きブルーベリージュース。甘くて美味しい。スムージーのようなブルーベリージュースもありました。


ただ人口が550万人しかいなくて、女性の手が労働力として必要でした。また、国のリーダーは30代のサナマリンさんという女性がの方がやっていたりします。様々な背景があると思いますが、やりたいっていう人に任せてみるっていうカルチャーがあるという風に聞きました。女性が活躍しているのは、ここ数十年のムーブメントで、それが定着しているというところが新鮮でした。

スーパーの棚には必ずあるグルテンフリー。ホテルの朝食にもグルテンフリーコーナーがありました。

休暇

フィンランドの働き方についてご紹介していけたらと思います。会って初めに、アイスブレイクで「フィンランド人にとって、バランスはとても大事。だから長期的に見ていい仕事ができるのよ」と言われて衝撃でした。有休は、だいたい8週間くらいあり、日本よりちょっと多いかもしれないけどそんなに変わらないです。だけど、必ず使うというところが違うんじゃないかなというふうに感じました。子供たちは、春休み1週間、夏休み1ヶ月、秋休み1週間、冬休み1週間があり、親も一緒にお休みを取る人もいるし、両親のどちらかが休むという人もいます。保育園は、仕事があれば行けるので、みんなそれぞれ、好きな時に休んでいます。

フィンランド建築博物館で見つけた展示内容。洗ったお皿をふく時間を節約すべく、水道の上にあるのは今や欧州で一般的なデザインになっているそう。

就業参加率

こちらで、国別の女性の職業参加率のグラフが見られます。フィンランドと日本を比べると、フィンランドの方が高いけど、日本も悪くないなっていう感じかなと思いました。でも、多分この中の75%っていうのがフルタイムじゃなくっていろんな雇用形態が 入ってるんじゃないかなというふうに思います。

こちらは、国別の女性の職業参加率を地図で表したものです。色が濃いほど平等な機会があると言われていて、北欧はやっぱり濃いです。フィンランドは男女の機会が平等な国で、日本はちょっと薄いというのがわかります。アジア圏全体的にちょっと薄いっていう印象かと思います。


効率的

「子供が生まれたら働き方は変わりますか」って聞きました。返ってきた答えは「you have to be eficient」で、日本語にすると「同じようには働けないよね(効率的にしないとね)」ということでした。この点は日本のママと同じ考え方を持っている人が多いというふうに感じました。

ですが、その「eficient」っていうのが、私が想像していたものとは違っていました。そもそも仕事の時間は、仕事の時間、家族の時間、睡眠時間っていう3つの柱があって、その中で仕事の時間の量をあんまり大幅に増やさずに、どうにかやりくりしていました。それは、行かなきゃわからなかったことかなと感じました。

以前駐在していたドイツ人家族とヘルシンキで再会!

フィンランドの「eficient」とは、効率的なんだけれども、すごく忙しいっていう感じではないんです。「私忙しいの」っていう人が、フィンランドでも何人かいました。でも、忙しいんだけど、秋休みは1週間きちんと取るとか、土日は働かないとか、子供は3時までに迎えに行くとか、そんな感じなんです。なので、日本みたいな、忙しい=残業をする、とかっていうのとはちょっと違うかなというふうに感じました。

あとは、長期視点があって「子供たちがちっちゃい時期って、そんなに長くないから、仕事はまたもっとできる時があるよね」とか。あとは、例えば、「今日ご飯を必ず作らなくちゃいけない」っていうよりも、「1週間単位で栄養を調整すればいいよね」って考えてたりとか。なんかあんまり、人は気にしないで「自分が頑張ってやってるからOK」みたいな、アクセスしない感じを受け取りました。

テクノロジー×自然のミックス

フィンランドの林業を支える伐採、切断を担うマシン。夜中や雪でも稼働するそう。

フィンランドの生き方として、テクノロジーを使うことと、自然の中で過ごすことを、ミックスしてるなーっていうふうに感じました。データサイエンティストみたいな人も、土日は周りの森の木を切って、薪でお風呂を沸かして入る、 木目が美しいダイニングのテーブルのテーブルを、奥さんの誕生日プレゼントのために作ってる、みたいなかんじです。アナログとテクノロジーのミックスなんだなっていうのが、面白いところだと感じました。

気温摂氏0度、雪が降るちょっと前のお風呂。寒いので、髪は乾いてる状態で帽子をかぶるのが現地ルール!

仕事と家庭のバランス

世間体や会社や親などのためではなく、自分や家族のために人生を選択しているという価値観が根底にあって、これは大事だなと感じました。そのため、残業している人は、ほぼいないようです。「家族と過ごす時間って大事だし、家族がいない若い人などは、趣味があるんだから早く帰りなさいと言われる」と、いろんなフィンランド人の人に、何度も何度も言われました。そのため、私の夫は、長時間働くのが当たり前で、仕事が楽しいという人なんですけど「フィンランドの会社で働いてたら、上司に怒られるよ」と何度も言われました。

もちろん、(日本でも多分、人事の人が前よりはうるさく言うようになったんじゃないかなと思うんですけれども、)従業員を遅くまでオフィスに残すと高額な残業代を払わなきゃいけないということもあります。

カーボンニュートラルな移動手段として人気のスクーターは町中あちこちにありました。

保育園のお迎えは3時がメイン

うちの娘は、朝の6時から夕方5時までの間で、保育園に通っていました。基本的に8時半までに来てくださいっていう保育園だったので、8時半までには行くけど、たまに日本時間で昼から打ち合わせがあるときは、朝6時から保育してもらえるみたいな感じです。朝は真っ暗で、8時半までに行くと朝ごはんが食べられました。

でも、夕方5時に迎えに来るようなママは私だけで、ほとんどの人は3時台に迎えに来て、4時くらいになると半分以下くらいしか残ってない。4時半を過ぎると、もう、うちの子しかいないみたいな感じでした。

フィンランドの長距離電車は二階建になっていて、広々していました。

みんな結構、子供が小さいうちは働く時間を短くしているんですね。あとは、家に持って帰って仕事をするとか。保育園に預けてる時間も、日本よりだいぶ短いなというふうに感じました。働き方を短くしていたり、残業しないのはお母さんだけじゃなくて、お父さんもそう。なので、家事や育児を一緒にするのが当たり前。それは、日本と違うなと感じました。

長距離電車の車内には、子供が遊べる滑り台や本を読めるスペースがありました。

働き方はフレキシブル

働きながら一度休職して大学院に行くみたいな人が、私が会った中で、ざっくり3分の1くらいいて、衝撃でした。また、コアタイムだけ決まっていて、勤務時間を選べるっていうような、結構フレキシブルな会社が多いようです。朝6時から行って2時とか3時に帰るといったように、勤務時間をフレキシブルに選べる人が、日本より多いんじゃないかなっていうふうには感じました。

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