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ミュージカル『ハミルトン』歌詞解説41―Stay Alive (Reprise) 和訳


はじめに

ミュージカル『ハミルトン』は、ロン・チャーナウ著『ハミルトン伝』(邦訳:日経BP社)をもとにした作品である。

物語の舞台は18世紀後半から19世紀初頭のアメリカ。恵まれぬ境遇に生まれたアレグザンダー・ハミルトンは、移民としてアメリカに渡り、激動の時代の中を駆け抜ける。アメリカをアメリカたらしめる精神がミュージカル『ハミルトン』には宿っている。

劇中では、友情、愛情、嫉妬、憎悪など様々な人間ドラマが展開される。ここでは、そうしたドラマをより深く理解できるように、当時の時代背景や人間関係を詳しく解説する。

”Stay Alive”

※歌詞の和訳はわかりやすく意訳。

※歌詞の原文は『Hamilton the Revolution』に準拠。

The scene changes, as Philip's body is pulled away. We segue to a doctor's house. Hamilton bursts in.

ENSEMBLE:

Stay alive... Stay alive...

「生きていて・・・生きていて・・・」

HAMILTON:

Where's my son?

「私の息子はどこだ」

DOCTOR:

Mr. Hamilton, come in. They brought him in a half an hour ago. He lost a lot of blood on the way over.

「ハミルトン氏、こちらへ。息子さんは30分前に運び込まれました。運ばれる途中で大量の血を失ったようです」

ENSEMBLE WOMEN:

Stay alive...

「生きていて・・・」

HAMILTON:

Is he alive?

「生きているのか」

DOCTOR:

Yes. But you have to understand The bullet entered just above his hip and
Lodged in his right arm.

「ええ。しかし、銃弾が腰の上から入って右腕に残っていることをご理解ください」

解説:チャーナウの『ハミルトン伝』では、左腕に銃弾が入ったと書かれている。

HAMILTON:

Can I see him please?

「息子に会わせてください」

DOCTOR:

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