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映画『ガリレオ 沈黙のパレード』

いま映画館で上映中の映画『ガリレオ 沈黙のパレード』を観ました(2022年9月16日公開)。ガリレオといえば、先日新作ドラマ『禁断の魔術』が放送されたばかり。映画の公開もずっと楽しみにしていました。

今回の事件は、3年前に行方不明となっていた女子高校生が、ある民家で家主の年配女性とともに遺体で見つかることから始まります。
殴られたことが致命傷となったもので、容疑者として浮かび上がったのが家主の息子でした。実はこの容疑者、以前にも少女殺害容疑で逮捕されていた人物。しかし、証拠不十分かつ“完全黙秘”を貫いたことで無罪となり、釈放されていたのでした。

この容疑者は、今回の女子高校生殺害についても“完全黙秘”を貫き、女子高校生の血痕がついた作業着が発見されたにも関わらず釈放されます。
そして町内のお祭りであるパレードの日、この容疑者が遺体となって発見されるのです。一体誰がこの容疑者を殺したのかー。天才物理学者の湯川先生(福山雅治さん)、警視庁捜査一課の草薙刑事(北村一輝さん)と内海刑事(柴咲コウさん)たちが解き明かしていきます。

序盤からの悲しい展開に、心がきゅっと締め付けられ、胸が苦しくなりました。ひとりの人物の身勝手な振る舞いが、多くの人を巻き込み不幸へと導いてしまうー。現実にも起こりうることだと思います。
そういう身勝手な人に精神的に追い詰められたら、人は、“身勝手な人を司法が止められないのならば、いっそ私たちの手で”と思ってしまうのではないかー。復讐はいけないと理性ではわかっていても、殺人まではできなくとも何かしらの仕返しを考えてしまうかもしれない。そんな時は気持ちのやり場をどこに向ければいいのだろうーと考えさせられました。
私自身は幸いにも復讐したいと思うほどの身勝手な人に遭遇したことはないので、気持ちを想像することだけで本当のところはわかっていないと思います。この作品に考える機会を与えられました。

“真実は人を不幸にするー”。それでも前に進むために、私は真実を知りたい。

劇中で心に残った言葉があります。それは、「真実は人を不幸にする」(もしかしたらちょっと違ってしまっているかも…)。
確かに真実を知ることで、つらく悲しい気持ちになってしまうことが多々あります。だからこそ相手を傷つけまいと、あるいは自分自身を傷つけまいと、嘘で真実を覆い隠してしまう。
でも果たしてそれはいいことなのかー。一見いいことのように思えても、後々相手が知った時に、その場で知る以上に心を傷つけてしまうこともある。自分自身の心を裏切ることでもある。どんなにつらくても、前を向くためには真実を知ることが新たな一歩を進むことになるーと私は思います。

エンドロールで流れる、これまでのガリレオシリーズの映像が懐かしく、月日が経ったなあとしみじみした気持ちになりました。今の福山雅治さんも素敵ですが、若い頃の映像を見たらとてもかっこよかったです。
柴咲コウさんが歌う主題歌「ヒトツボシ」もじーんと来る歌詞で、大切な人を思い出してしまいました。素敵な映画体験を☆

*ガリレオ 沈黙のパレード
https://galileo-movie3.jp

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