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コーチング型マネジメントの3つの誤解

こんにちは、Andyコーチです。
Andyコーチはかねがねチームマネジメントにコーチングの要素を入れるコーチング型マネジメントについて発信してきました。
その中で、コーチング型マネジメントが少し誤解されているようなことを耳にし、今回のテーマで記事を書くに至りました。
ぜひ本記事にたどり着いてくださったあなたも誤解をしていないかチェックいただけると嬉しいです。


そもそもコーチング型マネジメントって?

コーチング型マネジメントは、チームメンバーの成長とポテンシャル開花を重視するマネジメントスタイルです。

トップダウンでマネジャーからの指示や命令型のマネジメントとは異なります。
コーチング型マネジメントでは、マネジャーは単にチームメンバーに対してタスクを割り当てるだけでなく、チームメンバーの自己成長や目標達成をサポートし、彼らの能力やポテンシャルを最大限に引き出します。

コーチング型マネジメントでは、マネジャーはメンバーとの対話を重視し、メンバーの想いや才能、目標を理解します。
マネジャーはメンバーに問いを投げかけ、メンバーが自己の能力や課題について考え、解決策を見つける手助けをします。

さらに、マネジャーはメンバーにフィードバックを提供し、成長の機会や挑戦を提供して、メンバー自身が成長する環境を整えます。

このプロセスを通じて、メンバーが単に言われたことを達成する能力をつけるだけではなく、自ら目標を設定してトライ&エラーを行う自己成長への意識を高めることができます。
こうするとメンバーはやりがいを感じやすく仕事への積極性もより出てくるため、マネジャーがすべて指示しなくともメンバーが自ら動いたり、メンバーからの提案も出てきたりと、チームとしての成果が出やすくなります。

現代にコーチング型マネジメントが必要だと考える理由

私が現在にコーチング型マネジメントが必要だと考える理由は、VUCAの時代であるからです。

変化が大きいし、先が見通せないし、シンプルじゃないし、曖昧な世の中ということですね。
新型コロナウイルスなどの社会変化やchatGPTなどの技術の進化など激しく変化を皆さんも体感されていると思いますし、「5年後はこういう世の中になっていそうだ」という予想が私自身も当てられる気がしていません(笑)

歴史を見ても徐々に社会は変化してきたので、正直VUCAは現代だからこそのものではない気はしています。ただ、「今はVUCAの時代」だといわれる背景には、VUCAの度合いがより高い、加速しているからなのだと思います。

ビジネスの世界では、正攻法が今よりも持ちやすい状態であったため、戦略や戦術を練るためにはビジネス経験が必要でした。
そのため、経験あるマネジャーが、経験をもとに方針を立てて、メンバーに指示するという形が合っていたように思います。

しかし、変化や不確実性に溢れたVUCA時代には、戦略や戦術において正攻法がありません。つまり、今まで培ってきた経験では通用しない時代になってます。
そのため、マネジャーは経験も使いつつ、自分だけで決めていくのではなく多様なメンバーの強みを活かすことが重要になってきていると考えています。

だからこそ、指示型ではなく、コーチング型マネジメントを通じて、メンバーが自ら考え動くような状態を作っていくことが必要であると考えています。

コーチング型マネジメントの3つの誤解

しかしながら、コーチング型マネジメントに対してはいくつか誤解されていることがあるように思います
どのような誤解があるのか、そして実際はどのようなものなのかご紹介します。

誤解①「コーチング型マネジメントでは指示をしない」

コーチング型マネジメントに対する誤解の1つ目は、「コーチング型マネジメントは指示をしない」というものです。

指示型マネジメントからコーチングマネジメントへ移行しましょうと、指示型マネジメントと比較しているがためにこの誤解が生まれているように思います。

結論から言うと、コーチング型マネジメントにも指示は必要です。

ただ「指示だけではない」というのが重要なポイントです。
指示型マネジメントでは、メンバーに考える余地を与えずに指示をするイメージですが、一方コーチング型マネジメントは問いを投げかけてメンバーに考える余地を提供します。

コーチング型マネジメントを行う上でも指示が必要な場合はたくさんあります。

例えば、タスクのアサイン時。
メンバーが今までなれていない領域やタスクである場合は、一程度指示やティーチングが必要です。
他にも、問題が発生し迅速な対応が必要な場合。
その対応時に考えさせるのではなく、事後に振り返りでメンバーに考えさせる方が、周りにも迷惑をかけずに済みます。
など、適切に指示をすることはコーチング型マネジメントにおいても重要で、決して指示をしないわけではないんです。

適切に指示しつつもメンバーが考え続け成長し続けられる状態を作ることが重要です。

誤解②「コーチング型マネジメントは業務の進捗を遅らせている」

コーチング型マネジメントは、メンバーに考える時間を与える分、業務の進捗を遅らせているという誤解を抱く方もいるようです

確かに、業務での経験値がある程度あるマネジャーが方法も含め指示してしまった方が、メンバーに考えさせるよりも、一時的には業務の進捗は早いでしょう。
ですが、長期的に見たときには、マネジャーが指示し続けるよりも業務の進捗が早くなると考えられます。

初めは考える時間も含め時間がかかっていたとしても、考える癖がついているため、例えば、
「今後こういう業務が発生すると思うのですが、昨年に比べてこうなっているので、こういう方法で進めるのがいいかなと思ってますがどう思いますか?」
等と、メンバーから提案が出てくるとどうでしょう。

マネジャーが指示し続けるときにはマネジャーが考えなくてはならなかったことをメンバーから提案してくれるので、マネジャーにとっては脳みそが複数あるような状態になりますし、たたきがあるのでマネジャーとしての判断もしやすいし、他のことを考える余白がマネジャーにできます

考える時間を与えるのは、成長のための投資だと考えています。
もちろん誤解①で紹介した通り、適切に指示をすることは必要ですが、継続的に考える余地を与え続けることで、チームとしての生産性は高めることができると考えています。

誤解③「コーチング型マネジメントはメンバーを放置している」

コーチング型マネジメントに対する誤解の3つ目は、「コーチング型マネジメントはメンバーを放置している」です。

コーチングマネジメントを誤解したマネジャーが実践していて、「コーチング型マネジメントはメンバーを放置している」と見えるケースがあるようです。

コーチング型マネジメントは、メンバーに問いを投げかけを通じてメンバーが考え成長し自ら動けるようになるという旨を冒頭でも書きましたが、このようにメンバー本人の主体性が生まれるまでには時間を要します
それを理解せず、問いを投げかければメンバーは自ら動くと勘違いしていると、問いを投げかけたのちマネジャーからは働きかけず、気が付いたら業務も進んでいないしメンバーの心も離れているという状態になってしまう可能性があります。

これはむしろマネジメントをしていない状況で、「メンバーを放置している」と見られてしまっても仕方がない状態ですよね。

チームの状況に応じてマネジャーの指示とコーチング要素の比率は変えていくべきですし、何よりも進捗を確認することが重要です。
私がマネジャーにとって業務面で重要だと考えているのは、業務の小さな進捗を生み出し続けることであると考えています。

前もほかの記事で例えましたが、自転車の補助輪を外す練習だと思ってください。
補助輪を外したら乗れるようになるわけではありません。放置はダメです。
場合によっては乗ることをあきらめてしまうし、間違った練習をしている可能性もあるでしょう。
今どのくらい乗れるかを確認しながら、ひとりで乗れるようになるように適切に補助をする。これがコーチング型マネジメントだと考えています。



いかがだったでしょうか。
あなたにもコーチング型マネジメントの誤解ありましたか?
コーチング型マネジメントを改めて理解いただき日頃のチームマネジメントに生かせてもらえればと思います。


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